エルダー2017年11月号
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2017.1130うえで契約する。高齢職員は、短時間勤務により趣味の時間や家族のために、時間を有効に活かせているという。最高齢で障害者支援施設の園芸部で農業の指導にあたっている94歳の女性職員は、無理のない範囲でパート雇用の契約を結び、長年のさつまいもづくりの経験を活かして働き続けている。◦柔軟な雇用形態の導入就業規則において「1カ月単位の変形労働時間制」を規定し、事業所ごとに就業時間管理制度を管理・運用している。各事業所の施設長は、それぞれ異なる福祉サービス上のコアタイムや準コアタイム、非コアタイムなどを設定し、各職員の休みなどの希望をふまえたうえで、毎月勤務シフト表を作成している。高齢者は、子育て世代や介護世代とは異なり、休日や夜間勤務も可能なことが多い。その意味では現役世代が家族関係での急な休日や有給休暇を取るとき、育児・介護休暇取得時の補完要員として、勤務シフト表の日程を高齢者によって埋めることができ、継ぎ目のないサービスの提供と働きやすい就業環境の整備につながっている。一方、高齢職員にとっても、日々の労働時間を調整できることで、ライフスタイルに合わせた勤務が可能となっている。◦体力・能力に応じた配置変更の導入同法人では介護職、職業指導員(園芸部・木工部・縫製部)、相談員、調理師、事務職など職種が多岐にわたるため、希望があれば施設、職種をまたいで異動することを可能にした。例えば、加齢のため体力的に介護職を負担に感じるようになった場合、相談員に変わる(資格取得のうえ)など希望に沿った形で異動可能としたことで、個々の体力・能力に応じた配置が可能となり、高齢職員の安定的な雇用につながっている。(2)職場環境に関する改善◦高齢者が安全で働きやすい環境づくり高齢職員が無理なく就労する物理的環境の整備としては、作業台を広くしてゆとりをもたせる、厨房に自動食器洗浄機、多機能加熱調理器(スチームコンベクションオーブン)を導入するなどの取組みを行っている。例えば、以前は重い大釜で多人数の食材を加熱調理するといった、高齢者にとって体力面、安全面で不安がある調理工程があったが、多機能加熱調理器の導入後はタイマーをセットするだけで加熱調理が可能になった。そのほか、厨房前の入り口をはじめ、職員・関係者にかぎられたエリアもバリアフリーに整えるなど、安全かつ、作業負担を軽減するような高齢者に優しい職場づくりに努めている。(3)能力開発に関する改善 ◦年齢にかかわらずスキルアップを奨励現在、スキルアップのために高齢職員を含め積極的にメンタルケア研修などの外部研修の受講をうながしているという。研修費を同法人で負担する制度を実施。さらに、研修を受けた職員は、後日、施設の全職員に対して学んだ内容を伝達講習する場を設けるなど工夫を凝らし、職員全員でスキルアップを図っている。厨房に導入した多機能加熱調理器。蒸し・焼きの自動化により調理負担を軽減

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