エルダー2017年11月号
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エルダー31特集平成29年度「高年齢者雇用開発コンテスト」(4)法人本部による包括的な人事処遇同法人の運営方針として、可能なかぎり、実務権限を事業所管理者に委ねており、各事業所の施設長を中心に管理者が現実・現場・現品主義のなかで、高齢職員を中心に、より働きやすい職場環境づくりを行っている。一方で、事業所ごとの判断がなじまない人事は、各事業全体を把握したうえで包括的な人事処遇制度を行うため、法人本部を設置。加えて、法人本部が組織全体をサポートするしくみだ。毎月1回、各施設長ら管理者と法人本部との間に「管理者会議」を設け、各事業所と本部で意見交換を行っている。管理者会議で各事業の予定や、現場で発生している問題、課題の連絡・報告がなされ、本部にすべての情報が集約される仕組みだ。本部は管理者会議で得た情報を元に、人員の過不足や課題などを客観的に分析し、判断できるようになっている。デイサービス施設で働くAさん(65歳、生活相談員)は、明るい人柄、介護保険手続きに対する知識も豊富なため、職員や、利用者とその家族から信頼も厚く、施設業務の多くを任されるリーダーのひとりである。臨床検査技師として長年病院で働いてきたAさんは、「定年後は福祉の仕事がしたい」と考え、社会福祉士の資格を取得。60歳の定年を迎えた年に同法人に入職した。Aさんは担当する相談業務について、「利用者の家族の方は日々大変な苦労をされていて、この大変さをどう支えるのかが施設の役割だと考えています。ご家族と職員をつなぐ、こういった橋渡しが日常の仕事です」と話す。現在は、常勤のフルタイムで働き、後進の育成や指導にも積極的に貢献している。施設長は「管理職と同等なほど、多くのことを任せられる人」と高く評価する。老人ホームの厨房で働くBさん(75歳、調理師)は、責任感があり、努力家で、仕事熱心。かつて食堂を営み、病院や施設勤務で調理師としてつちかった経験を大いに活かしている。ヨガを学び、フラダンスを楽しむなど多趣味で、余暇活動のために、時給月給制での就業を選択している。仕事に対するプライドと品質意識は高い。高齢職員にとって、皿が小さくて盛付け作業がしづらく、また料理の中身が見にくく確認しづらかった盛付け皿を、見やすく確認しやすい大きな丸皿への変更意見を出し、管理者が即座に決裁したことがある。Bさんの創意工夫が作業環境の改善につながり、また利用者にとっても色彩的においしく見えて喜ばれた一例である。「食事がおいしいとほめてもらえることが、一番うれしいです」とやりがいを語るBさんについて、施設長は「いてもらわなくてはならない存在」と厚い信頼を寄せている。要領よく調理をこなす高齢職員昼食の調理後、片づけを手際よく進める高齢職員Ⅴ高齢職員の声

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