エルダー2017年11月号
42/68

2017.1140職場づくりに働けるで安全健康ケーススタディ一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会 編順天堂大学大学院医学研究科 公衆衛生学講座 木村真奈美、白濱龍太郎、和田裕雄労働衛生コンサルタント 谷川 武高齢労働者における「閉へい塞そく性せい睡すい眠みん時じ無む呼こ吸きゅう」対策と生活習慣改善の重要性第7回倦怠感、注意力の低下は、大きなミスや事故に結びつく危険性があります。例えば、トラックやバスなどの職業運転者では、交通事故の危険性が増すことが問題となります。これまでの研究で、OSAを有する人が交通事故を起こす危険性は、そうでない人の2~7倍であると報告されています。 しかし、たとえOSAがある人でも、医療機関で適切な治療を受けることで、OSAがない人と同程度まで、事故のリスクを下げることができます。OSAの有病率は加齢とともに増えるため、高齢労働者の働く職場では、OSAについてよく注意し、対策を講じることが重要です。3OSAによる災害事例 ここで、特徴的な事例を紹介します。場合でも、知らず知らずのうちに注意力が低下し、仕事の作業効率が悪化したり、ミスが増加したり、ときには居眠り運転による事故の原因につながります。また、OSAが高血圧や脂質異常症、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などのさまざまな疾患のリスクを上昇させることがわかってきました。2OSAによる事故リスクの上昇 高い集中力が必要な職場や、危険をともなう作業を行う職場では、OSAによる眠気や1閉塞性睡眠時無呼吸とは ﹁閉塞性睡眠時無呼吸︵OSA︶﹂とは、睡眠中にのどの奥︵上じょう気き道どう︶の閉塞によって、呼吸が弱まったり停止したりすることがくり返され、さまざまな症状や合併症が生じる病態です。頻繁に起こる低酸素状態と脳の覚醒により、深い睡眠が妨げられ、たとえ睡眠時間を十分にとっている場合でも、日中の倦怠感、強い眠気、集中力の低下などの症状が出現することがあります。さらに、自覚症状がない

元のページ  ../index.html#42

このブックを見る