エルダー2017年11月号
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エルダー51えるだぁ最前線えるだぁ最前線京都千代田区でスタート。事業を始めてみると、業務委託では指揮命令などに制約があった。特に大手企業では法務部門が難色を示し、契約に二の足を踏むことが多く、事業拡大に課題があることがわかった。そこで派遣事業の許可申請を行い、2016年2月に許可を受けた。現在、同社には約100人が派遣登録し、登録者の平均年齢は65歳。男性8割、女性2割という比率だ。このうち、60人弱が派遣スタッフとして働いている。最高齢は70歳。多くがパートタイムでの派遣だが、10社はフルタイムでの派遣である。同社にとって経営の最大課題は、求人と顧客企業の開拓である。手始めの求人活動は、全国紙への求人広告だった。「60歳以上生涯現役」のタイトルで経験10年以上の経理財務経験者を求める名刺大の広告を打った。こうした事務系のスキルを持ったシニア人材の募集は、当時珍しいこともあり、約80人の応募があった。一方、顧客企業の開拓には不断の努力が必要。このため富澤社長は3つの異業種交流会に参加している。メンバーがビジネス・チャンスを紹シニアの経理人材の募集に応募多数派遣先企業の開拓に苦労介しあう交流会である。ひとつの異業種交流会は午前6時半から始まり9時に終わる。朝の暗いうちから家を出なければならない。夕方から始まる交流会もあり、懇親会や会合がこれに続くなど、体力も要求される。早朝の出勤、夜遅くまでの会合など、「事業の継続には地道な営業努力が必要です。そうしないとビジネスは広がりません」と、富澤社長は開拓のむずかしさを語る。現在、同社がスタッフを派遣する企業は約60社だが、半分以上が、異業種交流会での紹介によるものだ。「出産や育児休業で1年半ほど経理担当者が不在になる、担当者が急に退職した、フルタイムで経理担当者を雇う余裕がない、こうした例は中小企業では珍しくありません。異業種交流会には税理士も参加します。税理士の方が顧問先から経理の人材がいなくて困っていると相談を受けた際などに、弊社を紹介していただくことなどがきっかけとなっています」と富澤社長。そして、派遣先から信頼を得ることができれば、さらに同業者を紹介してもらえる。事業は順調だが、スタートから1年半ほどは、富澤社長がひとりで会社を切り盛りする時期が続いた。ひとつの転機となったのは朝のテレビ番組で紹介されたことだ。2015年7月に放映されると、全国百数十社から問合せがあり、遠隔地は泣く泣くお断りした。現在でも2年前に「テレビで見た」と問合せがくるという。企業にスタッフを派遣するうえで最も重要なことは、企業の求める人材と派遣スタッフとのマッチングだ。そこで威力を発揮するのが富澤社長考案の「スキルシート」である。スキルシートには「通常経理業務」、「財務業務」、「人事業務」、「営業事務」、「海外経理業務」、「上場企業経理」、「経営コンサルタント業務」の7つの業務が示されている。例えば通常経理業務であれば、その業務として「預金管理」や「手形・小切手業務」、「固定資産管理」などの下位の業務が区分されている。さらに、固定資産管理であれば、「固定資産ソフトへ入力」、「エクセル減価償却計算書作成」、「償却資産税申告」などの業務の詳細が示されている。派遣を要請する企業は、求めるスキルおよび特定のアプリケーションソフトの操作能力の要望を記載する。一方、同社は登録している派遣スタッフについても、同様のシートに各人がどのようなスキルを持ち、その業務に就いていた年数などを記マッチングに活用する、「スキルシート」企業が求めるスキルは高度化

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