エルダー2017年11月号
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エルダー55FOOD日本史にみる長寿食290食文化史研究家● 永山久夫秋山のマイタケ効果免疫力の向上に役立つ秋山の恵み秋は、長い冬ごもりに備えて、野山からの恵みに感謝をし、体力強化につとめる季節。冬を目前にした秋山(秋の季節の山)は、自然治癒力や風邪などに対する免疫力をパワーアップさせるうえで、効果的な成分を含んだ食べ物が、あっちにもこっちにも、出盛りです。その代表がキノコ。人間は、年をとるにつれて免疫力がダウンします。青年期の免疫力を10とすると、40代では7ほどになり、60代になると、4程度にまで低下するそうです。ところが、秋山のキノコには、年齢とともに低下する免疫力をアップさせる成分が豊富。その代表格がβ(ベータ)-グルカンという多た糖とう類るいで、免疫能力を正常に保つ効果があります。β-グルカンという成分は、キノコであれば多少の差はあっても、共通して含まれている成分で、その含有量が群を抜いて高いのがマイタケです。舞いあがって「マイタケ」マイタケには、食物繊維が多いという点でも、健康の保持増進に期待ができます。食物繊維は腸内の善玉菌の活性化に効果的で、便の量を増やして、腸の働きを元気にする作用があります。便が腸のなかにとどまる時間を短縮してくれるわけですから、有害物質やコレステロールなどを、すみやかに排出してくれるのです。食物繊維に加えてカリウムも多く、余分な塩分を排出することで、血圧の安定にも役立ちます。物忘れを防ぐビタミンB1や葉よう酸さん、カルシウムの吸収をよくするビタミンD、精力を強くするミネラルの亜鉛も含まれています。旬の時期にはぜひとも食べておきたいものです。マイタケは、味のよさと力強い薬効のおかげで、昔から珍重されてきました。山に入り、大株のマイタケを発見し、舞いあがってよろこんだところから、この名がついたとか、扇形のかさが、まるで天女の舞いのように美しいところから「マイタケ」と呼ばれるようになったなどの説があります。昔は山奥でしか自生せず、極めて高値でしたが、いまでは人工栽培の成功によって、手軽に入手できるようになりました。テンプラにして、秋の香を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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