エルダー2017年11月号
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エルダー57「個人情報保護法」が施行されてから12年。この間、情報通信技術の発展やスマートフォンの普及などによって個人情報を取り扱う環境が変化し、企業には情報管理にかかわるセキュリティ対策の一層の向上が求められるようになった。さらに今年5月には、「改正個人情報保護法」が全面施行され、新たな対応も必要になった。本書は、こうした状況をふまえ、改正法にともなう対応を解説するためにまとめられた。改正法では、「要配慮個人情報」や「匿名加工情報」といった新たな類型が加わり、それぞれ異なる取扱いが求められている。本書では、これらを含む個人情報保護法への対応をイメージしやすいように、2社の企業モデルを設定して、企業がビジネス活動を進めるなかで取り扱う個人情報について、「取得」、「利用」、「第三者提供」、「本人対応」といった場面ごとに、事案を交えて説明している。また、中小企業における従業員の情報や取引先従業員の情報への対応に関する説明や、個人情報保護法違反などに関する解説もある。企業の担当者が、改正法のポイントや個人情報の適切な取扱い方法を学ぶうえで役立つ一冊となっている。ビジネスシーンから考える 改正個人情報保護法日ひ置おき巴とも美み 著/経団連出版/1300円+税改正法で求められる対応や中小企業でよくある事例を紹介後藤直なお久ひさ 著/日本経済新聞出版社/1400円+税公的年金制度はこの先どうなるのか。重い病気にかかったり介護が必要になったりしたらどう生活したらよいか。老後の住まいをどう考えるか。財産管理や相続を行うときの注意点は……。こうした「老後の不安」は、高齢期に入った人ばかりではなく、その少し手前の世代や老親のいる人、「老後はまだ先のこと」と感じている世代にも少なからずあるだろう。本書は、医療・介護、年金・税金、悪質商法、住まい、相続対策、財産管理、生涯現役、一人暮らしなど、高齢期に直面するさまざまな問題に焦点をあて、危険を少しでも避け、安心して過ごせる老後に近づくためのノウハウを、日本経済新聞社のベテラン記者が具体的な例をあげてわかりやすく解説している。取り上げているテーマは50項目。Q&A方式なので、興味のあるテーマから読み進めることができる。たとえば、第8章「生涯現役で働き続ける」では、働きながら公的年金を受給するときに知っておきたいポイントや雇用保険に関する知識などを紹介。さらに、「生涯現役」を目ざす生き方にもふれている。老後の生活のノウハウを知る手立てとしてだけでなく、高齢者や老親を持つ世代との会話にも役立つ好著だ。高齢期に直面する不安やリスクを取り上げ、対策を解説Q&A 日経記者に聞く安心老後、危ない老後身近な相談事例をもとに、実務的で効果的なアプローチを提示亀田高たか志し 著/日本法令/3200円+税社労士がすぐに使える!メンタルヘルス実務対応の知識とスキル著者は、本誌で「70歳まで元気に働くための健康習慣のススメ」を連載していただいたこともある、亀田高志氏。本誌の取材の際に、ある社会保険労務士から「顧問先企業から、メンタルヘルスに関する相談を受ける機会が増えてきている」という話を聞いたことがある。ストレスチェックが導入されて以降、専任の産業保健スタッフがいない規模の企業の場合、メンタルヘルスに関する問題を、顧問の社会保険労務士に相談するケースが増えている実態がうかがわれる。本書はこうした状況をふまえ、企業における産業保健活動やメンタルヘルスの事業化に豊富な経験を持つ著者が、主として社会保険労務士に向けて、企業から求められることが多いメンタルヘルスの実務対応をまとめたもの。中小規模の事業所でありがちな相談事例を起点に、平易な表現で解説を加え、実務的で効果的なアプローチ方法が提示されている。さらに、現場ですぐに活用可能なシートやチェックリストも豊富に収録されているので、経営者や人事労務担当者が手にしても役立つ内容となっている。社会保険労務士を対象とした自主的な勉強会を主催している著者ならではの好著といえるだろう。

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