エルダー2017年12月号
11/68

特集エルダー9テレワークが創る多様な働き方常とこ葉は大学准教授(一般社団法人日本テレワーク協会アドバイザー) 小しょう豆ず川がわ裕ゆう子こテレワークの現状と導入のメリット総論はじめに1民間企業のみならず中央官庁・自治体なども加わり、多くの組織で「働き方改革」の取組みが活発です。そして、その動きを牽引しているのがテレワーク。テレワークは、少子高齢化、介護離職ゼロへの対応、女性活躍推進、地方創生など、官民あげて立ち向かう日本全体の社会変革、イノベーション策の一環として位置づけられ、現在は実践段階に入っています。本稿では、注目されるテレワークの現状とメリットについて、ご紹介します。テレワークの現状21注目されるテレワークテレワークの定義は、「ICTを活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」です。自宅を就業場所とする「在宅勤務」、移動中や顧客先、カフェなどを就業場所とする働き方「モバイルワーク」、所属するオフィス以外のオフィスや遠隔勤務用の施設を就業場所とする働き方「サテライトオフィス勤務」があり、テレワークはその総称です。「サテライトオフィス勤務」には、自社・自社グループ専用として利用される「専用型」と複数の企業がシェアして利用する「共用型」があります。最近では都市部や地方圏での「共用型」サテライトオフィスであるシェアオフィス、コワーキングスペース ※1などが広がっています。現在、日本は人口以上に生産年齢人口が減少する人口オーナス期 ※2を迎え、企業などは離職を防止して、在籍する一人ひとりの従業員の生産性を向上させるとともに、一方で新たな戦力として、非労働力化している女性、高齢者などを労働力化することが喫緊の経営課題となっています。 テレワークは、こうした経営課題に対して、ICTの徹底活用によって生産性を高め、グローバル化に対応しています。また男女関係なく出産・育児・介護などさまざまなライフイベント・ライフスタイルに柔軟に対応してパフォーマンスの発揮ができること、さらに平常時に環境整備を行うことにより、災害やパンデミックなど非常時のBCP対策(事業継続計画)として有効であることが指摘されています。2テレワークの普及状況日本におけるテレワークの普及状況は、テレワーク人口(国土交通省「テレワーク人口実態調査」)と企業のテレワーク導入率(総務省「通信利用動向調査」)によって把握できます。①テレワーク人口の状況テレワーク人口に関しては、「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」において目標値が設定されています。※1 コワーキングスペース……机や椅子、ネットワーク設備などを備えたオフィス環境を月極や時間制で提供する場※2 人口オーナス期……人口構成の変化が経済にとってマイナスに作用する状態のこと

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る