エルダー2017年12月号
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2017.1220合も考えられます。なお、個別の判断については所轄の労働基準監督署が行いますが、具体的にテレワークで労災が認定されたケースとしては、次のような事例があります。『自宅で所定労働時間にパソコン業務を行っていたが、トイレに行くため作業場所を離席した後、作業場所に戻り椅子に座ろうとして転倒した事案。これは、業務行為に付随する行為に起因して災害が発生しており、私的行為によるものとも認められないため、業務災害と認められる ※2』「情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」について13厚生労働省では、「情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」を策定し、行政通達が行われています。全文は、厚生労働省のホームページで見ることができます ※3。なお、今後、在宅勤務ガイドラインは、最新のICT環境と労働法制をふまえテレワークの実施に必要なガイドラインを見直し、周知することが予定されています。する配慮を行うことが望ましい』また、作業の習熟の速度に時間を要する作業者は、それに合わせて追加の教育、訓練を実施するなどにより、配慮を行うことが望ましいです。労災保険の適用12どのような形態のテレワークにおいても、テレワーク実施者が労働者である以上、通常の就業者と同様に労働者災害補償保険法の適用を受け、業務災害または通勤災害に関する保険給付を受けることができます。業務災害とは、労働者が業務を原因として被った負傷、疾病または死亡(以下「傷病等」という)であって、業務災害と認められるためには、業務と傷病等との間に一定の因果関係があることが必要であるため、労働者が、私用(私的行為)または業務を逸脱する恣意的行為を行ったことなどによる傷病等は、業務災害とは認められません。通勤災害とは、労働者が就業に関し、住居と就業場所の往復などを合理的な経路および方法で行うことなどによって被こうむった傷病等をいい、モバイルワークやサテライトオフィス勤務(施設利用型勤務)では、通勤災害が認められる場視化を進めることも公平な評価の実現に効果があります。作業環境管理11 在宅勤務の実施者はパソコンのディスプレイを見て仕事をすることが多いので、労働者の心身の負担を軽減し、労働者がVDT作業 ※1を支障なく行うことができるよう支援するために事業者が講ずべき措置について示した「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン(平14・4・5基発第0405001号)」に留意する必要があります。具体的には、事業者は、在宅勤務にあたって、作業面について必要な照度を確保すること、室内の採光や照明は明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせない方法によること、そのほか換気、温度や湿度の調整などを適切に実施することなどを労働者に対して周知し、必要な助言を行うことが望まれます。なお、ガイドラインでは高齢者に対して次の配慮事項が望ましいとしています。『高年齢の作業者については、照明条件やディスプレイに表示する文字の大きさ等を作業者ごとに見やすいように設定するとともに、過度の負担にならないように作業時間や作業密度に対※1 VDT作業とは、ディスプレイ、キーボード等により構成されるVDT(Visual Display Terminals)機器を使用して、データの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集・修正等、プログラミング、監視等を行う作業です※2 出典:「テレワーク導入のための労務管理等Q&A集」厚生労働省※3 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/03/h0305-1.html

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