エルダー2017年12月号
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特集エルダー25テレワークが創る多様な働き方「株式会社日建設計総合研究所」は2006(平成18)年に生まれた新しい企業であり、日本を代表する建築の設計監理、都市デザインなどのサービスを提供する株式会社日建設計のグループ会社である。同社は、日建グループのシンクタンクとして持続可能な建築・まちづくりを目ざし、建築と都市のライフスタイル全般にわたり調査・企画・コンサルティング業務を行っている。国内外の大学や研究所、企業などと連携し、研究開発に取り組んでおり、社員数は69人である。同社のクライアントは国や自治体などの公共部門が約半数、エネルギー関連会社が約4分の1を占めている。調査やコンサルティングが同社の事業収益となっている。一人で仕事を完結するシニアに向いているテレワーク同社が在宅勤務制度を正式に導入したのは2012年1月だが、それ以前から社員が会社のモバイルパソコンを携帯して、出先で作業を行うテレワークは行われていた。日建グループのオフィスやカフェなどでのモバイルワークである。モバイルワーク浸透のきっかけには、2011年3月11日、東北地方と関東地方を中心に襲った、東日本大震災という未み曾ぞ有うの緊急事態に遭遇し、同社でも事業を継続するため平時からのBCP(事業継続計画)の重要性が切実に意識されるようになったことがある。同社は、同年8月には節電のためのピークカット ※1に協力するため、社員がモバイルパソコンを持ち帰っての在宅勤務や日建グループのオフィスで仕事をするなど、テレワークの試行を行った。その結果、「在宅勤務に対応できる社員がかなりいることがわかりました」、と同社のテレワークを牽引してきた新にっ田た恵けい一いち企画部長(理事)はいう。こうして得た結果を検討し、2012年1月、正式に在宅勤務制度が導入された。同年8月にもほぼ1カ月間、テレワークの実験を行った。この実験はオフィスに社員がいない状態での消費電力を調べることが目的だったが、在宅勤務を実施した社員の割合は44%に達した。会社のドアを閉ざしての実験だったので、残りの56%の社員はグループ企業のオフィスやホテルのカフェなどでの作業や顧客との打合せなどを行った。その結果、どうしても家では仕会社が牽けん引いんしてテレワークを実践一人で仕事を完結するシニアに好適株式会社日建設計総合研究所企業事例テレワークを推進してきた新田恵一部長※1 ピークカット……電力需要のピーク(最大使用電力)時の需要を低く抑えること。東日本大震災後にピークカットの重要性が意識されるようになった

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