エルダー2017年12月号
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2017.122京都中央信用金庫副理事長平林幸子さん人材をとらえるのではなく、役割を果たせるかどうかを昔から重視してきました。その延長として制度づくりも最初から普遍性を求めるのではなく、経済合理性をベースに特殊なケースから入り、それが自然に普遍的なものになっていくという企業スタンスが伝統的にあります。―「特殊なケースから普遍的なものになっていく」、とはどういうことでしょう。平林 70歳までの再雇用制度のきっかけをつくったのは、当社で複数店舗の支店長を経験し、60歳前に東証一部上場企業に出向し、その後転籍し、部長、監査役を務めた人です。その会社を65歳でリタイアすることになり当社に挨拶に見えたところ、当時の理事長が「あなたはまだ元気じゃないか、うちで働かないか」と誘ったのです。 実は当時、リーマンショック後の不況の影響で取引き先企業や住宅ローン利用者の返済がむずかしくなり、延滞の恐れが懸念されて―2006(平成18)年に希望者全員の65歳までの再雇用制度を導入し、2008年には最長70歳までの再雇用制度を導入されています。その取組みで平成27年度「高年齢者雇用開発コンテスト」で厚生労働大臣表彰最優秀賞を受賞されました。高齢者の活用を積極的に推進する背景には何があるのでしょうか。平林 私自身が1971(昭和46)年に大卒定期採用の女性第一期生として入職し、いま69歳です。当金庫では昔から女性職員が活躍し、高齢者も含めて多様性を受け入れる文化があります。高齢者の活用にふみ切った背景としてはバブル崩壊後に採用を抑制したために、管理職層の40歳代の中堅層が育っておらず、豊富な経験を持つ高齢職員を活用しようと考えたこと、もう一つは長期的に労働人口が減少していくことへの備えもありました。 もちろん経済合理性の観点から活用していくことが根底にあります。男女の別や老若でいました。それを解決するには支店の若手や中堅担当者の経験や知識だけではむずかしい。そこで理事長のアイデアで支店長経験もあり、コミュニケーションスキルもあるその人を中心に「債権管理専門チーム」をつくることになったのです。 これまでの経験を活かし、顧客の話にじっくり耳を傾けながら家計を診断し、深みにはまらないように返済期限を延ばすなど顧客に寄り添った解決の道が開けました。先せん鞭べんをつけたその人がロールモデルになることで、後に続く人が出てくることにつながり、その結果、チームの成績も向上していきました。 2008年に制度として「65歳以降は本人が希望し、健康で会社が必要と認めれば非常勤嘱託として1年更新で最長70歳まで再雇用する」ことにしたのです。まさに特殊なケースから入り、制度として普遍化していった一つの例です。―制度ありきではなく、会社が求める役割をになえるかどうかを重視するということですね。みなさんは実際にどんな役割を発揮しているのですか。平林 2012年に人事制度も役割重視の仕組みに改めました。それまでは年功色が強特殊なケースから制度として定着した70歳までの継続雇用制度

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