エルダー2017年12月号
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職場を変えるために自分を変える方法などについて考えてもらいます。就業意識向上研修に加えて、この研修を行うことで、高齢者雇用を推進するだけでなく、企業体質の強化を図っています。同社が、50代社員対象のキャリア研修を始めたのは、2005年のこと。高齢社員のモチベーションの維持に悩むなか、高齢者雇用推進のために訪れた樋口アドバイザーからすすめられたのがきっかけでした。同社と樋口アドバイザーとで、二人三脚で取り組み、2009年には、研修を体系化することとなり、3回にわたるキャリア研修のほか、高齢者を活用するための職場管理者研修の体系ができあがりました ※2。福嶋常務に、これから研修をしてみようと考えている企業へのアドバイスを求めたところ、改めて振り返ってみると計画的・継続的であることが大事だと思う、とのこと。とはいえ、いきなり体系的に研修を始めるのはむずかしい。まずは、「お試し」でよいけれど、やりっぱなしにせずに、しっかりフォローする。また、よい講師が見つかっても、任せっぱなしにするのではなく、会社としてきちんと関与することが大事、と感じた次第です。ヒアリングを終えて4同社では、高齢社員を対象に行う就業意識向上研修だけでなく、係長など職場で高齢社員を活用する立場の中堅管理スタッフを対象に、職場管理者研修も実施しています。管理スタッフとしての行動をチェックしたうえで、グループ討議などを通して、コミュニケーションのとり方、高齢社員から経験を活かしたヒントをもらうために心がけるべきこと、職場管理者研修3キャリア開発支援を行う場合、必ず研修というかたちを取らなければいけないわけではありません。個別に面談を行う、折りに触れて話をする、というやり方もあります。研修というと、大企業などが行うものといったイメージもありますが、お話をお聞きし、中堅企業は、逆に中堅企業ならではの、企業に合ったかたちで研修を実施することができる、と感じました。今回はご紹介しませんでしたが、茨城県にある常ときわ磐大学(教員を含む従業員数400名)でも、齋藤敬たか徳のり高年齢者雇用アドバイザーとともに、高齢社員の上司となる管理者研修に取りかかっています。中堅企業であれば、受講者の顔を見ながら、導入を進めることもできます。今回のように、アドバイザーが力になれる場合もあるでしょう。ご相談などいただければ幸いです。社特有の言葉、単語も使えるようにしておくこと。福嶋常務とも、何度もやり取りをしたそうです。留意点2 会社の制度を押さえる2つめは、会社の制度について、しっかり押さえること。研修では、会社の制度について、講師の方から説明します。事前に、就業規則や社内規定などを示してもらうこと。留意点3 フォローすること3つめは、やりっぱなしにならないよう、きちんとフォローすること。山形酸素の場合、宿題として提出されたもの一つひとつにコメントを書き入れてフィードバックしているほか、研修体系がしっかりしているので、次の研修につなげることができます。生涯現役を実現するための生涯現役を実現するためのキャリア開発支援エルダー47浅野浩美(あさの・ひろみ)1961年生まれ。一橋大学社会学部卒。筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業科学専攻修了。厚生労働省職業能力開発局キャリア形成支援室長などを経て、高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長。「65歳超雇用推進マニュアル全体版」などを執筆。博士(システムズ・マネジメント)。※本稿の見解のうち意見に関する部分は筆者の個人的な意見であり、筆者の所属する組織の見解としてオーソライズされているものではありません。※2 研修体系づくりは、同社からの要請に基づき、高年齢者雇用アドバイザーが行う「企画立案サービス」として、研修体系を提案しました。同サービスでは、研修体系のほか、人事管理制度、賃金制度など、高齢者雇用を進めるための実践的な改善策を提案します。有料ですが、当機構が費用の半額を負担します。詳しくは、当機構支部(65ページ)にお問い合わせください

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