エルダー2017年12月号
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2017.1256※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「本体価格」(消費税を含まない価格)を表示します米フォーチュン誌が発表する「最も働きやすい企業100社」において、2017年まで6年連続して1位を獲得しているグーグルでは、現行の人事施策について問題がないかを、必ずデータを用いて評価しているそうだ。このように、ビジネスの世界ではPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のPDCAサイクルによって、継続的な改善を行うことが推奨されている。しかし、日本の多くの企業の人事に関しては、CheckとActが欠けているとの視点から、本書は、人事においても客観的なデータを活用し、PDCAサイクルをまわすことが必要と、そのための手引書となることを目的としてまとめられた。内容は、人事データの活用が必要な理由から、働き方改革、女性活躍支援、採用、高齢者雇用などの具体的なテーマをあげて、データを使ってどのように分析し、課題への対応に活用すればよいのかを解説する。高齢者雇用については、定年延長と介護離職の問題を取り上げ、人件費シミュレーションの方法や、親が要介護になる社員の予測人数を計算によって把握する方法を紹介し、対応策を指南。事例を活用し、自社の現状を分析することができる。企業が抱える課題解決につながる、「客観的な人事データ」を活用する方法を解説大おお湾わん秀ひで雄お 著/日本経済新聞出版社/2300円+税日本の人事を科学する―因いん果が推すい論ろんに基づくデータ活用―現役世代を支えるための、人生100年時代の生き方・働き方本誌2016年5月号の特集では、少子高齢化にともなう課題に学際的な体制で取り組む「東京大学高齢社会総合研究機構」の〝いま〞を取り上げ、本書の著者に「ICTを活用した中高年女性の虚弱化予防」と題した研究を紹介してもらった。退職後のシニアが現役世代を支える力となり、さらにはシニア自身のライフスタイルに合わせて生涯現役で働くためには、ICT(情報通信技術)をフル活用することが必要というのが著者の基本的な考えだ。全国各地で試行されている、ICTを活用したシニア層に向けた就労支援の取組みを紹介するのが本書の目的の一つといえるだろう。ICTが生み出す新しい就労スタイルは「モザイク型就労」といわれるもので、複数人のシニアの空いている時間を組み合わせてまとまった労働力として束ねたり、空間的に離れたシニアがインターネットを介して仕事をサポートしたりすることが可能になるという。本書を読めば、その取組みの一部は実践段階に移行しつつあることが実感できるだろう。ちなみに、書名の「2.0」には、固定化された価値観や考え方をリセットして超高齢社会の新しいあり方を考える、という著者の思いが込められている。檜ひ山やま 敦あつし 著/平凡社(平凡社新書)/780円+税超高齢社会2.0―クラウド時代の働き方革命

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