エルダー2017年12月号
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エルダー57本書は、職場のメンタルヘルス対策を進めるときの第一線のプレイヤーは、毎日部下と顔を合わせる管理監督者であり、職場におけるルールの作成にたずさわることができる人事労務担当者であることを前提に、すべての管理監督者、人事労務担当者に向けて、メンタルヘルス対策で最も重要とされる考え方と実践のポイントをわかりやすく解説している。入門書として、「メンタルヘルス不調への気づきと相談対応」、「心の健康を保つための活動」などの基本的な知識と、「職場のメンタルヘルスの計画的推進」、「職場復帰の支援」などへの理解を深めつつ、多くの事例を通して「どのように取り組んだらよいのか」を具体的にイメージしながら読み進めることができる。また、ストレスチェック制度を効果的に実施するポイント、これから大事になる視点としてポジティブメンタルヘルスの考え方や対策の実際にもふれている。著者は、メンタルヘルス対策の第一人者として、厚生労働省の「労働者のメンタルヘルス対策に関する検討委員会」委員を務め、現在は「東京大学職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム」の運営にも取り組んでいる。管理監督者や人事労務担当者が知っておきたい、具体的な取組みが見えてくる入門書川かわ上かみ憲のり人と 著/大たい修しゅう館かん書店/1800円+税基礎からはじめる職場のメンタルヘルス事例で学ぶ考え方と実践ポイント生産年齢人口の減少が見込まれる日本で、非正規雇用労働者の数が増え続けている。非正規雇用労働者の賃金は正社員に比べて低いことが知られており、非正規雇用労働者の増加は低賃金労働者の増加を意味する。こうした現状をふまえ、正社員との間にある不合理な待遇差を解消し、「同一労働同一賃金」に向けての環境整備が進められているのは周知のとおりだ。本書は、編者によるプロジェクト研究をまとめたもので、企業・事業所側にかかわる問題として、人事管理の方法や正社員の働き方などが非正規雇用労働者にどのような影響を与えているのかを明らかにし、より安定的で質の高い雇用に導くための課題を検討している。取り上げている項目は、(1)非正規雇用の拡大、(2)正社員との賃金格差、(3)非正規雇用労働者の能力開発、(4)非正規雇用労働者の転職、(5)非正規雇用労働者の正社員登用、(6)非正規雇用労働者の組織化。入職という入口から、正社員への移行という出口までを通観し、組織化を末尾に位置づけている。実践的なノウハウを提供する実用書のスタンスとは異なるが、人事労務担当者が長期的な人事施策を考える際の格好の参考書としておすすめしたい。独立行政法人労働政策研究・研修機構編集・発行/2500円+税非正規雇用の待遇差解消に向けて第3期プロジェクト研究シリーズNo.1より安定的で質の高い雇用に導くための課題を検討「よい人材を採用・配置・育成・評価して定着させる」という人材マネジメントの基本は世界共通だと思われるが、日本を本国としてグローバル事業を展開する企業が、異文化を背景に持つ外国人を相手に外国語でマネジメントするためには、日本人相手とは異なる手法が必要になる。とりわけ、これからグローバル事業の展開を考えている企業の経営者や人事労務担当者にとっては、大きな課題になると思われる。本書は、担当者のこうした悩みに応えるためにまとめられたもので、グローバルビジネスに取り組んでいる企業の人事労務担当者が、より効果的な人材マネジメントを実践するための英文のテンプレート(文書のひな型)が収められている。グローバル人材マネジメントの標準的な枠組みを短期間で的確に構築し、日本企業の強みを前面に打ち出したグローバル経営を推進するためのノウハウ集といっても過言ではない。テンプレートに加えて、第4章に収められている、人事労務担当者が頻繁に使う人事労務用語やメールのフレーズの英訳は、すでにグローバル事業を展開している企業の担当者にとっても役立つ内容であり、日常業務を手助けしてくれる参考資料となるだろう。鈴木孝たか嗣つぐ 著/経団連出版/1600円+税グローバル展開企業の人材マネジメント―これだけはそろえておきたい英文テンプレート―異文化理解を進め、事業を軌道に乗せるために役立つツール

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