エルダー2017年12月号
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2017.124京都中央信用金庫副理事長平林幸子さんくためには、子育てなどいくつかのライフイベントを乗り超えてほしいと期待しています。 60歳以降もパートタイマーとして活躍している女性はたくさんいます。高齢期になっても公私ともに充実した生き方をしたいと思うならば男女に関係なく四つの自立が必要だと説いてきました。「経済的自立」、「精神的自立」、「社会的自立」、「家庭的自立」の四つです。 かつては経済的に自立していない女性が多く、そのため精神的自立もむずかしかったのですが、いまは働くことで経済的に自立している女性も増えてきました。 一方、男性は経済的な自立ができても、妻がいないと食事もつくれないという家庭的自立ができていない人もいます。しかし、これからの社会は男女互いに四つの自立が求められる時代になってきています。―60歳を過ぎ、70歳まで意欲を持って働くには、本人の働く姿勢だけではなく、会社の役割も重要です。双方がよい関係を築くにはどうすればいいのでしょう。平林 もちろん給与もモチベーションの一つですし、がんばった人が報われる処遇にすることも大事です。 そのためには本人がやる気をなくすことなく健康管理にも気をつけて自らスキルを磨いていく姿勢が大事です。また、場面場面で気持ちを切り替えることも必要です。例えば22歳で会社に入れば、だれでもいつかは転換期が訪れます。そのときに部下だった人に指示されることもあります。いままでとは立場が変わることを受け入れなければなりません。 60歳以降も働くのであれば、自ら話しかけていくコミュニケーション力がないと若い人たちに受け入れられません。また、事務能力も大事です。自分でコピーをとる、パソコンも操作できるなど、何でも自らやっていく姿勢を持っていないといけません。 一方、会社にとって大事なのは雇う以上、即戦力として活用すること。また高齢者と若手が一緒に働くことで職場を活性化していくという多様性を活かす気持ちがないといけません。もう一つは高齢者であっても業績や成果を求めるという経済合理性の重視です。 例えば債権管理専門チームでは毎月何人の顧客に会ったのか、年度ごとの回収金額や対前年比の数字も出しています。一人ひとりを見てちゃんと評価しています。「法律で定められているから雇わないといけない」といった社会貢献や福祉的な気持ちで雇っていたら本人もやる気を失ってしまいますし、絶対に長続きしないと思います。―最後に高齢者雇用に積極的に取り組もうとする会社にアドバイスはありますか。平林 若い世代は仕事の経験が少ないので、それこそ学ぶしかありません。女性や外国人は多様な価値観を職場に持ち込んでくれます。高齢者は豊富な経験と知識があります。こうした人材をいかに企業がコンダクターとして、また、貴重な戦力として最適化を図り、業績を上げていくことが問われているのだと思います。(聞き手・文/溝上憲文 撮影/安田美紀)「経済的」、「精神的」、「社会的」、「家庭的」四つの自立が男女ともに大切

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