エルダー2018年3月号
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特集エルダー1765歳超雇用推進事例集&マニュアル(その2)岩塚製菓株式会社は、いまから71年前の1947(昭和22)年、岩塚村という新潟県の雪深い農村で、創業者の「出稼ぎに行かなくても豊かに暮らせるようにしたい」という思いから創業。いまでは、大手米菓メーカーの一つとして、確固たる地位を築いている。本社のある新潟県長岡市のほか、全国に11支店・18営業所を構える。長年にわたって技術協力をしてきた台湾・旺ワン旺ワン集団(旺旺グループ)※1との強いパートナーシップにより、グローバル展開も進めている。従業員数は約900人。60歳以上の従業員は、87人。そのうち、男性は36人、女性は51人となっている。数年前までは60代の従業員が多かったが、現在は、60代が全体の1割程度。男女とも勤続年数が長く、現在の最高齢従業員は67歳。技術・技能の伝承を目的に、2008年に6₅歳に定年延長同社は、2008(平成20)年に定年年齢を65歳に引き上げた。きっかけは、いわゆる「2007年問題」。団塊の世代が60代を迎え、ベテランの技術・技能を伝承していく必要を感じたのが理由である。「この世代は人数が多く、『この人も60歳になるのか』、『この人も⋮⋮』という状況を見た経営者が危機感を抱いたのがきっかけです。当時は、いまのような少子高齢化は想定しておらず、採用面では苦労していませんでしたが、『技術伝承のため、すぐに手を打たなければ』と、定年の引上げを決断しました」と、元人事課長で、現在は株式会社瑞ずい花か代表取締役の駒形佳昭さんは話す。定年を65歳に引き上げた当時の経緯についてもお話をうかがった。「定年後の再雇用ではなく、定年自体を引き上げたのは、対象者のモチベーションアップのためでした。それまでは、60歳で定年となり、その後は、1年更新の嘱託として再雇用する形でした。賃金は日給月給制になり、賞与は支給対象外となります。そのためもあってか、再雇用を希望せずに60歳で退職する社員も少なくありませんでした」会社の英断は労働組合にも支持された。組合から要求されてではなく、会社のほうから「定年を引き上げたい」と提案し企業事例2岩塚製菓株式会社65歳定年引上げで活き活き働ける職場を実現「総監」、「技監」のシニア社員が活躍※1  台湾から中国大陸に進出した総合食品メーカー。米菓・乳飲料をはじめ、菓子・飲料・酒類など多岐にわたる商品の製造販売を行っている岡森士朗人事部長(左)と駒形佳昭さん

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