エルダー2018年3月号
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2018.318たところに、従業員を大切にする同社の社風が表れている。60歳以降も賞与の支給対象とし、「総監」、「技監」の称号も新設旧定年年齢である60歳(60歳になって最初に迎える3月20日)以降は、「エルダー社員」と称するが、身分も雇用形態も59歳までと変わらない。労働時間も、週5日・フルタイム勤務である。賞与(業績給)については、旧再雇用制度と違い、再雇用後も支給される。基本給をベースに、評価に応じて支給月数を決める仕組みであり、算出テーブルは59歳までと同じ。本人の努力や成果が処遇に反映される。役職は、「エルダー社員」となる1カ月前までに外れるが、新たに「総監」(事務系)、「技監」(技術系)という称号を設け、特に活躍を期待する人材を認定する仕組みをつくった。「総監、技監については10等級からなる職能資格のなかにおいて、8等級というかなり上位の等級以上に在位経験を持つ方のなかから、従業員への指導力や幅広い知識を有する人にかぎって認定します。8等級というのは、管理職のなかでも部長くらいにならないとなれません。部長・工場長経験者など、リーダーとして特に活躍していただきたい方を認定し、能力・経験を活かした役割をになってもらいます」同社の岡森士朗人事部長は、こう説明する。現在、総監は1人、技監は3人。総監・技監には、職務手当が支給される。2015年には、会社と本人のニーズが合致すれば、65歳以降、1年更新で最長70歳まで雇用する再雇用制度を導入した。特別な資格やスキルを持つ従業員については、以前から、65歳以降、あるいは70歳以降も働いてもらうケースがあったが、きちんと制度化したのはこのときが初めて。制度ができたばかりなので、再雇用者の年齢はまだ最高で67歳だが、65歳を超えて活躍している従業員は8人いる。再雇用後の労働時間などは、本人と相談して柔軟に決める。例えば、67歳の男性3人のうち2人は、1日5~6時間の時短勤務である。再雇用後の勤務内容は、健康面や仕事ぶり、職場ニーズを総合的に見て判断することになるが、必ずしも定年前と同じ勤務内容ではなく、工場の施設管理など、その人にあった仕事に就いて活躍している。活躍するシニア① 技監 金子峰雄さん~上司と異なる、現場の頼れる存在~もうすぐ64歳の誕生日を迎える金子峰雄さんは、3人いる技監の1人。勤続41年の大ベテランである。製造部門で長く活躍し、その間、1年半ほど中国に技術指導に行っていたこともある。保全部門を含め、製品をつくる部門はほぼすべて経験している。62歳で技監となり、いまは、これまでにつちかった経験や身につけた知識・スキルを現場に伝え、指導する立場にある。同社には5カ所の生産拠点があり、1工場に130人前後、全部で約600人が働いている。金子さんは、これら現場の社員を必要に応じて指導し、同社の高度な技術力を陰で支えている。「中国から来ている技能実習生の面倒を見たり、各工場を回り、技術面などで問題点があれば、指導したりしています。現場の改善活動にもかかわっており、今日も参加してきたところです。入社してからずっと同じ分野でやってきましたので、ここで働かせていただけるのは、ありがたいです」所属部署の上司ではないが、技術面にも会社のことにも詳しい金子さんは、経験の浅い若手・中堅社員にとっても、相談相手の少ない現場の管理職にとっても、頼りになる存在だ。「私としても、ラインの上司ではないので、本音の言葉で『こうしたほうがいいのでは』と、自分の思いを伝えやすい。現場の社員に相談されることもあります。気をつけているのは、上

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