エルダー2018年3月号
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職場づくり職場づくり働ける職場づくりに職場づくり職場づくり働ける働けるで安全健康37ばしいこと」も含んだ「生活の変化である」こともわかります。そして、高齢者の仕事のストレッサー特有のものには加齢にともなった心身の機能の変化もあります(図表4)。この図表の軽減策はほかの労働者のストレッサーの対策のヒントにもなります。3 心身の健康状態と仕事の適応をはかる 次に、高齢労働者の心身の健康状態について考えてみます。図表3によると、高齢労働者は近親者の「死」や「生活の変化」といった私的なストレッサーも多く含まれることがわかります。職場のメンタルヘルス対策では仕事上のストレッサー軽減策を優先しますが、労働者の心身の状況に応じて仕事の方法を検討する必要もあります。 といっても心身の状況を「詳細」に把握する必要はありません。職場におけるメンタルヘルス対策の基本対応と同じで、職場の管理者はあくまでも「仕事への差しさわり」の視点から確認や声かけを行います。「あなたのことを気にかけている」という思いを込めて確認・声かけをすることが重要です。■メンタルヘルス相談事例1 Aさん(男性・62歳)。印刷工場勤務。定年退職後1年更新の契約で週5日(週1回夜勤あり)元の職場で働いています。 家族は妻と二女。痩せ型で言葉数は少なく、同僚からは「存在感の薄い人。お酒とたばこは好きな人だと思う」といわれていました。こす要因)」の軽減を優先します(図表2)。 ご存知のように「ストレス=すべて悪」とはかぎりません。ストレッサーのない生活は退屈で、少しがんばって対応できる程度のストレスは人の成長に必要といわれています。 図表3はストレッサーとなる出来事(イベント)をスコア化したもので、調査から約30年経過したいまも、精神障害の労災認定の判断指標として参考にされています。過去1年のストレスイベントの合計点数が150点以上だと、1年以内に何らかの心身の健康障害が出る可能性が50%、300点以上になるとさらに高率になるといわれています。 仕事上のストレスイベントには、「労働条件の変化」や「職場のOA化」といった対応のむずかしい内容も含まれますが、それを軽減する(=働きやすいものにする)という視点に立てば、多くの労働者の働きやすさづくりにつながります。 また、ストレスイベントは結婚のような「喜エルダー仕事上のストレッサー仕事外のストレッサー対処行動医療受診性格・ストレス評価など個人要因緩衝要因ソーシャルサポート健康障害抑うつ状態等解消ストレス反応できごと点数できごと点数できごと点数できごと点数配偶者の死83収入の減少58子供の受験勉強46技術革新の進歩40会社の倒産74人事異動58妊娠44仕事のペース、活動の増加40親族の死73労働条件の大きな変化55顧客との人間関係44離婚72配置転換54仕事のペース、活動の減少44自分の昇進・昇格40夫婦の別居67同僚との人間関係53妻(夫)が仕事を辞める40会社を変わる64法律的トラブル52定年退職44職場関係者に仕事の予算がつかない38自分の病気やけが62300万円以下の借金51部下とのトラブル43多忙による心身の過労62上司とのトラブル51仕事に打ち込む43自己の習慣の変化38300万円以上の借金61抜てきに伴う配置転換51住宅環境の大きな変化42個人的成功38仕事上のミス61息子や娘が家を離れる50課員が減る42妻(夫)が仕事を始める38転職61結婚50社会活動の大きな変化42食習慣の大きな変化37単身赴任60性的問題・障害49職場のOA化42レクリエーションの減少37左遷60夫婦げんか48団らんする41職場関係者に仕事の予算がつく35家族の健康や行動の大きな変化59新しい家族が増える47家族メンバーの変化41睡眠習慣の大きな変化47子供が新しい学校へ変わる41長期休暇35会社の立て直し59同僚とのトラブル47課員が増える32友人の死59引っ越し47軽度の法律違反41レクリエーションの増加28会社が吸収合併される59住宅ローン47同僚の昇進・昇格40収入の増加25図表3 ストレスイベント(ストレッサー)出典:『公衆衛生研究』1988年夏目誠ら「ライフイベント法とストレス度測定」図表2 職業性ストレスモデルと対策ポイント出典:NationalInstituteforOccupationalSafetyandHealth(米国立労働安全衛生研究所)職業性ストレスモデルを元に一部改編

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