エルダー2018年3月号
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リングルームなどを設置している企業の場合は、そこに配置されているキャリアコンサルタントや産業カウンセラーなどに相談してみる、というのもよいでしょう。中小企業ではどうでしょうか。中小企業の場合は、おつき合いしている研修会社も、キャリアコンサルタントもいない、というところも多いと思います。その一方で、日ごろから専門家の方を活用していて、人事のことは社会保険労務士の方に、経営のことは中小企業診断士の方に相談しているという企業もかなりあるのではないかと思いますので、そういった方に聞いてみる、という方法があります。また、高齢者雇用に関しては、高齢・障害・求職者雇用支援機構が各都道府県支部に高年齢者雇用アドバイザーを配置しています。アドバイザーは、講師となるための研修も受けています。支部やアドバイザーに相談いただくのもおすすめです ※1。 研修会社や研修講師の選び方研修会社や研修講師と接触することができても、その会社や講師が、自分の会社にとってふさわしいかどうか、判断する必要があります。会社として、高齢社員にこの後どんなふうに働いてもらいたいのかについて、考えている範囲でよいので、伝えることが必要です。そのうえで、講師が、それに沿った研修をすることができるかどうか、会社の考え方を理解しているかなどチェックする必要があります。さらに、講師が、社員にピンとくるような話ができるかどうかについても気になるところです。同じ業界や、同じような規模の企業のことをよく知っているかが一つのポイントとなります。共通する部分の多い企業の事例が講師の頭に入っていれば、会社のニーズに応じた研修を実施しやすいだけでなく、研修受講者の納得度も高まります。講師のキャラクターによる違いなどもありますが、第9回、第10回で紹介したような中高年向けのツールを活用することによって、講師によるばらつきをある程度カバーすることができます。 上司にどのように説明するか上司にどう説明し、理解してもらうかについて、第10回で紹介したキャリア・シフトチェンジ研修の開発にたずさわったほか、自ら講師としてキャリア研修や講師養成研修にもたずさわっている、学習院大学経済学部特別客員教授の山﨑京子氏 ※2にお話をうかがいました。山﨑教授は、中高年社員向けのキャリア研修について上司に説明するときは、「高齢者を大事にする」、とか、「個人を大事にする」、あるいは、「時代の要請だから」、という従業員目線で話をするのでなく、「企業の戦略」として話を持っていくべきだといいます。高齢者や個人を大事にすることや時代の要請に応えることも必要ですが、企業は中高年社員を、会社のために働いてくれる貴重な戦力としてみています。また、高齢化の問題は、一種のリスクマネジメント、という見方もできます。中高年社員に対する施策をせず、そのままにしていると、モチベーションが下がってしまい、若手・中堅社員にもよくない影響が出てしまいます。その一方で、中高年社員を戦力化できれば、他社と差別化を図ることができます。放っておけばリスクだが、うまく対処すれば、アドバンテージを取ることができるということです。 どのようなプログラムを実施するかどのようなプログラムを実施するかも大事です。企業の考え方、事情などに左右されますがここでは、各企業に共通していえることをお話ししましょう。日程については、1泊2日など宿泊つきのプログラムもあれば、半日などのコースもあります。長時間、職場を離れるのはむずかしいでしょうが、山﨑教授は、日ごろの仕事から離れてキャリアについて考えるためには、最低でも半日、グループワークや内省的な要生涯現役を実現するためのエルダー41※1 高年齢者雇用アドバイザーは、高年齢者雇用を進めるために、人事管理制度、職場改善などに関する相談・援助を行っています。また、企業からの求めに応じるほか、おおむね31人以上規模の企業を対象に、企業訪問を行っています。都道府県支部経由で連絡を取ることができます(都道府県支部の連絡先については、65ページ参照のこと)※2 山﨑氏は、学習院大学で教べんをとるかたわら、キャリア研修用のツールの開発、キャリア研修や、キャリア研修の講師養成などにもたずさわっていらっしゃいます。『エルダー』2015年7月号、2014年8月号にも、寄稿いただいています

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