エルダー2018年3月号
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2018.356※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「本体価格」(消費税を含まない価格)を表示します「人生100年時代」のアクティブシニアの役割を示す「人生80年」ではなく、「人生100年」というキーワードがこのごろよく目に留まる。本書が注目する「サードエイジ」とは、人生をライフステージの観点から大きく4つの時期に分けたときの「3番目の世代」、いわゆる定年期のまだまだ元気で活動的なシニアたちを指している。著者は、人生100年といわれる時代のこの世代の生き方の多様な選択肢に着目し、社会参加、学習、就労をその活動領域として拡大することを提案。サードエイジの役割は「社会の担い手」になることであるとして、本書において現代のシニア像を示している。本文は5章で構成され、まずシニアの社会参加や学習、就労の現状と具体的な活動の内容を説明。「高齢期格差(下流老人問題)」、「継続就労の課題」、「企業の高齢者活用の本音」といった現在の関心事にもふれながら、社会参加や学習、就労することによりなにが達成できるのかなどを考えていく。第5章では、それまでに提案した選択肢がシニアにもたらす健康面や深い人間性の構築などの効果と、社会への効果を考察。サードエイジが社会に積極的に関与し続けることが、成熟した個人と超高齢社会の実現につながることを示唆した一冊となっている。片桐恵子 著/東京大学出版会/2800円+税「サードエイジ」をどう生きるかシニアと拓く高齢先端社会希望者全員が65歳まで働くことができる制度が定着し、今後は65歳定年制への流れが加速すると見られるなか、企業にとって人事賃金制度の見直しは喫緊の課題の一つとなっている。その主眼は「年功型」から「仕事・役割・貢献度」を基軸とした人事賃金制度への転換だ。ところが、この転換に向けた道筋は平たんではない。制度設計のために、すべての従業員の仕事と役割の複雑度・困難度・責任度を明らかにするには、多大な労力と時間が必要となるからで、このため形ばかりの制度を構築してお茶を濁す企業も少なくないという。本書はこうした事態を避け、本気で脱年功の人事賃金制度を構築したい担当者を念頭にまとめられた。第1章では、戦後の日本の人事賃金制度を振り返り、なぜいま仕事・役割・貢献度を基軸とした人事賃金制度へ転換しなければならないのかを説明し、第2章では、仕事・役割を基軸とした、代表的な3つの制度の特徴と違いを紹介、第3章では、賃金制度の職種別のモデル類型を示している。そして、第4章では、職務分析と職務評価の代表的な手法を、第5章では、職務調査の手法を解説する。制度の見直しに向けて、まず手に取りたい一冊だ。経団連事業サービス人事賃金センター 著/経団連出版/1600円+税仕事・役割・貢献度を基軸とした人事賃金制度構築のためのガイドブック本気の「脱年功」人事賃金制度―職務給・役割給・職能給の再構築

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