1 高齢者を戦力化する制度を作るには?(制度面に関する改善)

高齢者の意欲を高める方法として、まずあげられるのは定年延長や継続雇用年齢の引き上げです。生涯現役社会を視野に入れた長期的な取り組みを早めに行なうことが肝要です。
定年後の継続雇用など60歳以降は処遇が大幅に変わることも多いため、高齢者には特に不安があります。一人ひとりの総収入(賃金プラス公的給付)に配慮した賃金決定方法にするなど、定年前後の所得水準をできるだけ激変させない工夫が望ましいでしょう。また、人事考課により高齢者の仕事ぶりを評価して処遇に反映させることで、継続雇用であっても経験豊かな高齢者に今までと変わらぬ貢献を期待するという企業もあります。
高齢者は今まで通りのフルタイム勤務を望むとは限りません。地域活動や趣味、また通院、介護などでパートタイム勤務を希望する者も多くなります。そこで多様な働き方に対応した社員資格や勤務時間の工夫が必要となります。

高齢者を戦力化する制度を作るイメージ画像
  1. 【主な対策】
  2.  対策1.定年年齢や継続雇用上限年齢を延ばす
  3.  対策2.賃金を工夫する
  4.  対策3.役職制度を工夫する
  5.  対策4.社員資格を工夫する
  6.  対策5.勤務時間を工夫する
  7.  対策6.評価制度を工夫する

各業界の取り組み

対策1.定年年齢や継続雇用上限年齢を延ばす

【事例】 定年70歳、働く意欲があり、できる仕事があれば働いて欲しい 《平成27年 金属熱処理業》

定年年齢が70歳というのは業界内では珍しいようだが、特に定年年齢を引き上げることに抵抗はなかった。働く意欲があって、できる仕事があれば働いてほしいという方針で臨んでいる。高齢者雇用に関しては、従業員の一人ひとりとの対話を深めながら対応策を検討していく方が合理的であり、会社、従業員双方にとってもメリットがあると考えている。
小規模企業であるが故に、従業員間、年代間で仕事を融通し合い、助け合う社風から、高齢者であっても働き続けられる職場となっている。
従業員間のコミュニケーションも密にとられており、若い人も中堅社員も高齢者も互いに主張するべきことは主張し合うという土壌が長年に渡って培われてきたことが、結果として功を奏しているのではないかと思っている。

【事例】 「生涯雇用」の実現 《平成26年 百貨店業》

当社は2002年に労使共同宣言を行い、「生涯雇用」を目指しています。そのために、年功序列制度と決別し、職務等級一本の人事制度を志向しています。これは、仕事に対するやりがい・働きがいを持つ人であれば、年齢に関わらず当社で力を発揮してもらいたい、という考え方が根底にあり、そのためには本人の能力・職務に応じた人事制度を整備する必要があるからです。
労使共同宣言をうけて、2007年に60歳定年後の再雇用者にも、正社員と同じ人事制度を適用することにしました。それまでは嘱託身分でライン長に就くことができない、という制度的な制約があったのですが、「生涯雇用」の思想に基づいて、社員としての責任を全うしてもらうために正社員と同じ仕組みを適用することにしたのです。
また、再雇用者は65歳で雇用満了となりますが、引き続き勤務を希望する者は「フリースタッフ」という名称で、月間15日程度の勤務日数で雇用しています。原則70歳を限度として1年契約で雇用しています。

対策2.賃金を工夫する

【事例】 60歳になると業務の負担が軽くなる分、給与が若干下がる 《平成27年 金属熱処理業》

定年年齢は65歳であるが、賃金体系は、60歳までは在籍年数に応じて少しずつ昇格していく基本給をベースに、業務内容や業務量に応じた職能給、資格取得等に応じた資格給が合わせて支給される形となっている。
60歳になると基本給の上昇が止まり、業務負担が軽くなる分、職能給が下がることになり、給与が若干下がることになる。賞与については、60歳以降についても査定の上、支給している。

【事例】 嘱託社員は一般社員の30歳賃金をベースとして設定する 《平成27年 金属熱処理業》

定年年齢は60歳、再雇用制度があり65歳まで働くことができる。
年金支給開始年齢からはハーフタイム勤務(1日5時間勤務または週3日勤務)での雇用が原則であるが、会社都合によりフルタイム勤務(付加手当を支給)の者もいる。
定年後再雇用された後、2年間が嘱託社員(1年契約)、残りの3年がパートタイム契約(半年更新)となる。パートタイム契約になると、給与が段階的に下がっていく。
嘱託社員は労働組合とも協定を結び、一般社員の30歳賃金となり、フルタイム勤務で定年直前の給与の60~65%程度、ハーフタイム勤務で40~45%程度(年金、高年齢雇用継続給付は含まない)となる。賃金体系は年功型がベースとなっており、55歳以降昇給幅が若干小さくなる。

【提言】 年齢を基準とした定年前の給与減額・役職定年制の工夫 《平成26年 百貨店業》

年齢を基準として給与減額や役職定年を行う場合には、高齢者のモチベーションが下がってしまう恐れもあります。単純に給与減額や役職降職を行うだけでなく、高齢者に期待する役割について明確に提示し、新たなやりがいを見出してもらえるように働きかけるべきでしょう。

【事例】 再雇用者をグレード分けして報酬とリンク 《平成26年 ホテル業》

新しい再雇用制度として、役割や仕事内容を定義付けたうえで、再雇用者を5段階のグレードに分け、グレードごとに処遇格差を設けました。

再雇用者の5段階のグレード

【事例】 定年後の給与を段階的に引き下げ 《平成25年 鋳造業》

定年後の給与は、定年時の基本給および役職手当を合算した額をベースに、1年目80%、2年目75%、3年目65%、4年目60%と下げていき、最後は本人が辞めたいと言うまでは定年時の50%を支給します。定年後1年目の給与は80%と比較的高めですが、これは生活する上でまだまだお金がかかることもあるだろうとの考え方からであり、この仕組みは昔から変わっていません。毎月の基本給についての定年後の査定はありません。なお、賞与については働きぶりを査定した結果が反映されるため、支給金額は一人ひとり異なっています。

【事例】 賃金を時給換算することで柔軟に対応 《平成25年 自動車車体製造業》

時給換算で、各自の仕事内容や能力に見合った額を継続雇用者に提示しています。時給換算し時間単位で管理することで、フレキシブルな管理が可能になります。

【Check】 定年後の賃金はピーク時の5~8割程度が一般的 《平成26年 ホテル業》 

厚生労働省の平成25年「賃金構造基本統計調査」(全国)によると、男性の場合、賃金のピークは企業規模の大小を問わず50~54歳です。また、定年後の賃金は企業規模により異なりますが、ピーク時の「5~8割程度」が一般的となっています。

定年後の賃金変化

【事例】 「加算ポイント」の仕組み化で貢献度合いを賞与に反映 《平成26年 百貨店業》

再雇用者であるエルダースタッフの賞与に「加算ポイント」という仕組みを導入しています。元来、エルダースタッフの賞与は全員同額でしたが、モチベーションに配慮してこの仕組みを導入しました。エルダースタッフに対する人事考課は行っていないので(※)、各人に対する加算ポイントの付与は店長クラスが判断しています。加算ポイントの対象者は、エルダースタッフ全体の2割としており、対象となった者は基準額の2割程度が加算されます。なお、対象者の中でも特に優れた貢献のあった者に対しては、基準額の4割を加算するケースもあります。
※エルダースタッフに対する人事考課を上長が行っていないのは、「元部下が、元上司を評価する」ということの難しさを考慮した結果です。

【提言】 ポイント顕彰制により再雇用者へ第二退職金として支給 《平成20年 染色整理業》

「金一封」のような金銭的対策については、在職老齢年金の支給額が却って減額される可能性があり、せっかくの好意があだになる可能性も「無きにしもあらず」です。そこでこの弊害を除くためのヒントが以下の折衷案です。金一封の代わりにポイントを付与し、最終的に退職するときにポイントを金額換算して支給するという方法です。
 → 業務・業績貢献顕著の程度をポイント化して最終退職時に累積ポイント相当の一時金(第二退職金)を支給する。
 → ポイント付与時には公の場で責任者が表彰を行い、ポイント贈与状を手交する。
 → 一時金の場合、在職老齢年金の支給額調整を要する場合がありうるが、ポイント制の場合はその弊を回避できるというメリットがある。

ポイント顕彰制を導入した場合の効果

【事例】 技能伝承の役割に対し「技能伝承手当」を支給 《平成28年 バルブ製造業》

元役職者には、技能やノウハウの伝承を最も期待しています。この役割を果たしてもらうため、技能伝承を依頼する元役職者に対しては、「技能伝承手当」を3年間支給しています。支給額は1年目を最も高く設定し、より早期に伝承するよう促しています。現在、部署ごとの伝承事項を明確にすることが課題となっています。

対策3.役職制度を工夫する

【事例】 マイスター制度の採用 《平成25年 自動車車体製造業》

当社のような中小企業が地方にいて生き残っていくためには、大手が真似することが出来ない強みが必要です。それは特殊な分野をターゲットにすることであり、優れた技術・技能を有する社員を抱えることです。特種車のような車を作る技術・技能の一番柱になるのが「打ち出し鈑金」であり、これが最も重要となります。この技術・技能を次世代に確実に継承していくことが生産面の最重要課題です。ドイツの同業を見学して、議論したときに「マイスター」という言葉を知りました。我が社が目指していることと同一であることを悟り、長く当社で活躍し、優れた腕を持っている人に「マイスター」の称号を授けることにしました。マイスターには称号授与とともにワッペンを付けてもらっています。

【事例】 役職名・ポストの工夫 《平成20年 港湾運送業》

立場や職務の変化を本人に自覚させ、周りにも理解してもらうため、役職名を工夫することも大切です。また、肩書きは、コスト負担なく、高齢者のモチベーションを高める手段ともなります。次のとおり、各社それぞれ工夫をしています。

継続雇用後の役職名

【Check】 ジョブタイトルや社内呼称等に配慮する 《平成26年 ホテル業》

・教育係としての役割がある場合は、「アドバイザー」「シニアアドバイザー」、技術やノウハウの伝承を担っている場合は「マイスター」等、再雇用者の役割が周囲からわかるような呼称を用意する
・職務を細分化し、再雇用者の専門性や得意分野を明示した肩書きをつける
  (例)・英語が堪能→英語担当
     ・パソコンに詳しい→IT担当

呼称に関する心理学

【事例】 「特命OB」として70歳まで雇用 《平成25年 自動車車体製造業》

65歳時点で会社側から望まれた人は「特命OB」として70歳まで健康である限り、働ける仕組みがあります。その申請基準となる対象内容は、「特別な技能有資格者」「法的必須有資格者」「社員教育、研修等の有資格者」「得意先に太い人脈パイプを持つ者」「高度な技能を有し、職場の教育・指導ができる者」「定年再雇用後、職場のニーズで就労してもらいたい者」などで、例えば電気主任技術者、PM改善職長教育などの資格保有者が該当します。その人でないと出来ないような“何か”を保有している人が推薦されることになります。

対策4.社員資格を工夫する

【事例】 定年後の処遇に連動させた職能資格制度 《平成26年 漬物製造業》

平成11年に職能資格制度を導入しました。同制度を設計する際に、定年前の評価が、定年後の働き方のコースに連動するように工夫しました。定年後の働き方のコースは、①役員、②定年到達時の処遇のスライド、③定年到達時の75%の処遇、④時給制への移行の4つがあり、定年後にどのコースで働けるかは、定年前までの評価を元に決定される仕組みです。定年後の働き方のコースに直結する評価は、直属の上司、部門長など評価者の評価をもとに、最終的に年に計3回、社長が社員と直接面談を行い決定されます。定年到達まで、この評価が積み重ねられ、定年以降の働き方のコースが決まります。社員は、定年までの期間、定年後のどのコースで働きたいかを見据えて、仕事に向き合っていくことが求められます。この制度が、社員一人ひとりの仕事に対する意識の高まり、モチベーションの向上、それにともなう職業能力の向上に寄与しているものと思われます。

【事例】 職場復帰を促すための契約社員制度 《平成24年 学習塾業》

現在は、様々な理由から、フルタイム就労か仕事を辞めるかという選択ではなく、短時間の勤務であったり、緩やかなペースで働きたいという人が増えています。当塾では、結婚や出産で辞めた講師が復帰しやすいようにと契約社員制度を取り入れた結果、退職を思い止まる講師が増えました。

対策5.勤務時間を工夫する

【事例】 50歳代半ばから仕事の負荷を低減、夜勤からも外れる 《平成27年 金属熱処理業》

50歳代半ばに達すると、個々人の能力に応じて、仕上げ、歪み取り、熱処理前の製品のセット作業等、熱処理オペレーター等の主力業務から間接業務へ職務変更してもらう場合がある。夜勤のローテーションからも外れ、定年後も継続して同じ仕事に就く場合が多くなる。当社は、日曜日の夜から金曜日の夕方までの勤務となり、工場によっては2交替、または3交替勤務のローテーションを組んでいるが、こうしたローテーションに則って勤務するのは40歳代までとなっている。(一部、夕勤=昼勤と夜勤をつなぐ時間帯に隔週で就いている嘱託社員もいる)
現業職の場合、定年以前の仕事を継続する場合が多い。勤務時間については現場の判断に応じて調整しており、60%から最大100%の範囲まで許容している。(所定労働時間は60%のまま時間単価を変えずに延長)65歳を過ぎても働いている人の中には、定年後の短時間労働や出勤日の調整で時間的余裕が出て良いという人と、もう少し働いて収入を得たいという人もおり、個別にそれぞれの要望を聞きながら対応していっている。
高齢者の中には昼の時間帯は別の仕事に就き、それ以外の早朝や夕方から夜の時間は当社の仕事に就きたいという人もいる。こうした働き方は、現役社員の残業時間帯を埋め、残業の削減にもつながり、会社にもメリットをもたらすことから、双方が話し合うことによって有効な活用方法を検討していきたいと考えている。

【事例】 自社OBを活用した繁忙時対策 《平成20年 染色整理業》

自社OBをアルバイトとしてプールし、繁忙時対策に活用しています。

自社OBを活用した繁忙時対策

【事例】 自己都合を優先して働ける柔軟な勤務形態 《平成26年 漬物製造業》

従業員一人ひとりが自分の働き方のニーズに合わせ、働く時間、曜日等を決めることができる制度を導入しています。従業員は翌月の勤務希望日を申告します。それをもとに各部門長がシフト調整を行います。従業員の希望は、ほぼパターン化されているのでシフト調整はさほど大変ではありません。どうしてもシフト調整が難しい場合は、フルタイム勤務の人員で調整を行うことで対応しています。なお、フルタイムで働いているのは、ほとんどが高齢者で、当社の場合、子育て世代が働きにくい時間帯を高齢者が補っているということになります。自分の希望に合わせて、自由な働き方ができる制度は、子育て世代など従業員から喜ばれており、当社としては自己都合を優先して働ける柔軟な勤務形態を、今後、人材募集の際のアピールポイントとして訴求していこうと考えています。若い人材層を確保するための当社の戦略を支えているのが、高齢者のマンパワーなのです。

【提言】 加齢による体力低下や、家庭の事情等に配慮した勤務形態にしましょう 《平成27年 機械土工工事業》

加齢による体力低下や健康状態の変化は誰にでも起こります。これまでは週6日の勤務や残業を問題なくこなしていた人であっても、そのような働き方が体力的に難しくなってくるケースもあることでしょう。また、本人が望んでいても、家庭の事情により今まで通り働き続けることが困難になるケースもあります。例えば、「家族の介護があるため、転勤ができない」等がその一例です。
人材不足が深刻な今、働く意欲がある高年齢従業員に対しては、可能な限り個別の事情に配慮した勤務形態を用意することが望ましいでしょう。また、会社全体でワーク・ライフ・バランスの実現に取り組むことも、高年齢者のみならず多くの従業員に長く働いてもらうための一助となります。

【事例】 在宅勤務制度の導入で雇用継続 《平成28年 コンピュータソフトウェア業》

在宅勤務制度の導入のきっかけは、遠隔地に住む高齢の両親と同居したい技術者が退職を希望したが、会社としては、優秀な人材に辞めてほしくなかったため、導入を検討することになりました。2015 年度に 1 か月のトライアルを 2 名で開始し、そのまま導入を継続、現在は 3 名が在宅勤務を行っています。配偶者の転勤に伴い退職を考えていた技術者もこの制度を利用することで、雇用継続が可能となりました。定期的な出社義務はなく、基本は在宅での仕事になります。開発業務の中から、一部分を切り出し、在宅勤務者に担当してもらっています。当社の業務は、チームによる仕事が主ですが、工程の切り出しは、マネージャーの力量で可能であり、問題となる事象はなく、制度が運営できています。

対策6.評価制度を工夫する

【事例】 基本給に10項目からの評価で加算 《平成27年 トラック運送事業》

年齢や在籍年数にかかわりなく、大型車に乗務する者は基本給15万円、普通車は13万円が最低保証賃金として支給され、距離手当(運行距離に応じて支給)、成果手当(勤務態度、メンテナンス対応、顧客からの評判など10項目について評価)が加算される。
以前は年功型の賃金制度を採用していたが、リーマン・ショックの頃に、能力が高く、成果を上げた従業員により多くの賃金を支払うような能力主義を前提とした査定制度を導入した。賞与の支給額も、年齢、在籍年数にかかわらず査定結果に基づき決めている。

【提言】 「高齢者雇用」は会社からの現役従業員へのメッセージ 《平成27年 金属工作機械製造業》

会社の中で高齢者がどのように活用されて処遇されているかは、単に会社対高齢者の問題ではなく、現役従業員も含めた会社対従業員の問題です。現役従業員にとって会社が現在行っている高齢者雇用施策は自分たちの将来を占う重要な手掛かりです。しっかり仕事をしてきた高齢者を定年後も大事にしている会社では現役従業員の会社に対する信頼感も高まります。ところが、過去にそれほどパフォーマンスも高くなかった高齢者を比較的高い賃金でそのまま置いておくなど「高齢者を甘やかしている」(と現役従業員が思ってしまう)会社であれば、その信頼も揺らぐのではないでしょうか。会社の高齢者に対する処遇は会社のメッセージになり、現役従業員はそのメッセージを注視していることを忘れてはなりません。

【事例】 賞与の額は8割が基本給を基準に、2割が考課により決定 《平成27年 金属熱処理業》

再雇用者についても賞与は査定の上、支給される。考課配分は支給額の2割程度の水準、残りの8割が基本給をベースとして決定、その際、勤怠率も加味される。

【事例】 人材マップ(習熟度評価表)を作成し全従業員を評価 《平成27年 金属熱処理業》

人材マップ(習熟度評価表)を作成しており、「現場作業」、「メンテナンス」、「管理」、「検査」、「異常処理」、「品質」、「エコ」、「5S関係」、「資格」などの項目に対し、5段階=〈指導できる〉、〈一人で出来る(操作・プログラム)〉、〈一人で出来る(操作)〉、〈教えてもらえば出来る〉、〈出来ない〉で、全従業員について評価している。
評価については、経営者、工場長、管理部長があたっており、一人ひとりのスキル達成の指標、目標の設定や賞与の査定の際の基礎資料として活用している。
資格取得も積極的に奨励しており、資格を取得すると奨励金を支給するほか、資格給として毎月手当がつく。

【事例】 客先からの5段階評価をフィードバック 《平成25年 自動車車体製造業》

社長自ら全社員と面談を実施しているが、面談時、「なぜ自分はこういう評価になるのか」と疑問をぶつけてくることがある。社長に入る情報は、一部の人を介した特殊な情報であり、それは自分の情報として不完全なのではないかという疑念からである。
そこで、当社では客先の協力を得て、品質保証部から納品した車に関する調査を実施し、その回答結果を活用している。質問項目としては値段・内装・電話対応・営業マンなどがあり、それぞれの項目毎に5段階評価を付けてもらっている。この客先評価をフィードバックしながら「思い当たることがあるなら次に生かすように」というような対応に努めている。

【Check】 「トータルリウォード」の活用によるモチベーションの維持・向上 《平成26年 百貨店業》

人事考課を通じたモチベーションアップのためには、面談を効果的に使うとよいでしょう。その際、「トータルリウォード」という考え方が有効です。これは、人のやる気を引き出すためには4つの報酬がある、というものです。人は、何らかの報酬(言いかえるならインセンティブ)によって、やる気を喚起されますが、その報酬とは金銭的報酬に限らない、というのがこのトータルリウォードのポイントです。面談の機会を活用し、高齢者の働きぶりや成果に対して名誉報酬や成長報酬を感じてもらえるようにしましょう。また、面談に限らず、日常のマネジメントを通じてこれらの報酬をバランスよく付与していくことが、モチベーションの維持・向上のコツと言えます。

「トータルリウォード」の活用によるモチベーションの維持・向上
「トータルリウォード」の活用によるモチベーションの維持・向上

【事例】 表彰制度の導入 《平成28年 保育サービス業》

当社では、ベビーシッターのモチベーション向上を目的に、「表彰制度」を導入しています。表彰する対象者は、年間の「お客様からの評価」、「仕事依頼に対する貢献度」等の観点から、10名程度が選ばれ、期首に会社で表彰式が行われます。
この表彰制度は、当社に所属するベビーシッター全体へのモチベーション向上が大きな趣旨ではありますが、こうした選定基準で表彰されるシニアベビーシッターは、常に複数になります。期首という節目に、フォーマルな場で表彰するということは、ベビーシッターに対する動機付けとして効果的で、当社にとって貴重な戦力となっているシニアベビーシッターも、表彰後はより意欲的にシッター業務に取り組んでいただいています。