離職者訓練(アビリティコース)を受講し、企業で活躍する山梨センターの修了生

はじめに

雇用・能力開発機構では、離職されている方の早期再就職を実現するため、再就職に必要な技能・知識を習得できるよう、地域の求人状況等に応じた訓練コースを設定し、機構の施設において標準6ヵ月の離職者訓練(アビリティコース)を行っています。

今回は、山梨センターのテクニカルオペレーション科修了生が活躍している、山梨県甲斐市にある中星工業株式会社別ウィンドウの職場を訪ね、お話を伺いました。

中星工業株式会社

中星工業株式会社は、半導体製造装置部品の設計・加工・組立まで一貫受注体制を構築し、業界のトップメーカーとして成長を続け、社会の発展に貢献している会社です。また、山梨センターで実施している就職支援講習会(※)において、社員の方に講演を行っていただく等、協力いただいています。

※就職支援講習会
職業訓練受講者に対して、企業の人事担当者と訓練修了生から、「企業が求める人材像」等や「就職活動体験記」等の講演を行ってもらい、訓練受講者の就職に対する意識啓発を目的とする講習会。

長谷川孝司代表取締役社長にお話を伺いました。

1.山梨センターとの関係について

山梨センターとのお付き合いは、社員の能力開発に山梨センターが行っていた能力開発セミナーを利用したのがきっかけでした。その後、当社において、基礎技術を習得した方の採用を考えていたときに、採用面接にきた山梨センターの修了生を採用し、その後も新たな設備投資等に伴い採用を計画したときには、修了生を紹介してもらい採用しています。現在では、6名の修了生が元気に働いています。

長谷川孝司社長

2.山梨センターの修了生を採用している理由について

理由は大きく2つあります。1つ目は、即戦力になること。6ヶ月の訓練で、ものづくり分野の基礎技術からしっかり学んでおり、入社後に会社にとって必要な技能を教えて応用力を身につけさせるだけで戦力になるところがメリットです。2つ目は、定着率が良いこと。当社では、新卒の採用も行っていますが、長続きしない方も多く、2~3年で退職してしまいます。それに比べて山梨センターの修了生は、ものづくり分野の仕事に就くという目的意識を持って訓練を受講していることや、企業の現場に近い環境での訓練を通して、現場への適応力が養われていることが、定着率の良さに繋がっていると思います。

3.山梨センターに期待することについて

採用の際には技術面はもちろんですが、やはり最終的には「人柄」が大切です。仕事に対する姿勢、技術習得に前向きに取り組む姿勢が大切だと考えます。
山梨センターには、これからも地域ニーズに合った訓練を行ってもらい、優秀な修了生を輩出していただきたいです。また、最新の技術などの相談に乗ってもらえる場所になっていただけると助かります。

中星工業株式会社の製造部門でマシニングセンタを使って機械加工を行っている橋本正幸さん、伊藤梨絵さんの2名の修了生にお話を伺いました。

橋本正幸さんに伺いました。

1.アビリティコースを受講した動機について

前職は、自動車販売の営業をしていましたが、以前から興味のあった機械加工の仕事に就きたいと思いテクニカルオペレーション科に入所しました。

橋本正幸さん

2.訓練内容について

訓練は、1ヶ月毎に訓練到達目標が決められていて、段階的に技能を学ぶことができ、目標毎の課題を作り上げたときには、自分に技能・技術が身についてきたことを実感できました。また、実技の時間が多くあり、実際の現場で使われているNC旋盤やマシニングセンタを使って訓練を受けられたことは、現場に出たときにスムーズに適応でき、その後の応用力を身につけることにも役立ちました。

3.就職活動の際、工夫したことについて

私は、採用面接を受ける際、山梨センターでの6ヶ月間の訓練で習得した技能をアピールするために、訓練で製作した成果物を写真に撮って履歴書に添付しました。自分の技術習得度を言葉で伝えるだけでなく、自分で製作した訓練成果物を見てもらうことによって、採用担当者の方に、よりアピールできると思ったからです。その結果、今の会社に就職することができました。今から振り返れば、写真を見せるより実物を持参した方がより効果的だと思います。

テクニカルオペレーション科訓練成果物

4.アビリティコースを受講する方に対するメッセージ

訓練を受講する際は、事前に自分の就きたい仕事を見つけ、その目標に合った訓練コースを選択することが大切だと思います。6ヶ月間の訓練は、ものづくり分野の基礎的な内容になりますが、目標に向かって訓練を受講すれば、より多くの技能を習得できると思います。

伊藤梨絵さんに伺いました。

1.アビリティコースを受講した動機について

私は、美術系の大学を卒業し教育関連の仕事に就いていましたが、離職を機に、今度は「ものをつくる仕事がしたい」と考えました。そして、ハローワークで、山梨センターを紹介してもらい、複数ある訓練コースから自分の希望する職種に合った技能を習得できるテクニカルオペレーション科に応募しました。

伊藤梨絵さん

2.訓練内容について

異業種での仕事の経験しかなかったので、ものづくり系の技能習得に不安もありましたが、講師の方に基礎から丁寧に教えていただきました。また、訓練中だけでは理解できなかった内容については、訓練終了後に補講をしていただき技能を習得していきました。訓練中に習得した図面の見方やプログラミング技能は、現在の仕事でも生かされています。

3.就職に対するサポート体制について

就職にあたっては、担当の講師の方や就職相談員の方に大変お世話になりました。就職相談、履歴書・職務経歴書の書き方、面接指導、求人企業の情報等、たくさん相談に乗っていただきました。今の会社も講師の方に紹介していただき、就職できました。

4.アビリティコースを受講する方に対するメッセージ

6ヶ月間の訓練は長いようであっという間です。訓練をしっかりと受け、たくさんの技能を習得してください。また、訓練生同士でコミュニケーションを取ることも大切だと思います。アビリティコースには、これまで他業種において豊富なキャリアを持っている訓練生などもいて、様々な意見を聞くことができ、自分の将来を考える際にとても参考になりました。このような経験は、再就職という同じ目標を持った方々が集まる山梨センターだからこそできた経験だと思います。