離職者訓練(アビリティコース)を受講し、企業で活躍する岩手センターの修了生~訓練で学んだことが実際の現場で役立っています~

はじめに

ポリテクセンターでは、離職されている方の早期再就職を実現するため、再就職に必要な技能・知識を習得できるよう、地域の求人状況等に応じた訓練コースを設定し、機構の施設において標準6ヵ月の離職者訓練(アビリティコース)を行っています。

今回は、岩手センターのビル管理科を修了し、岩手県盛岡市にある東京美装興業株式会社仙台支店盛岡出張所別ウィンドウに就職された修了生の職場を訪ね、柏倉和美出張所長と修了生の熊谷和徳さんにお話を伺いました。

東京美装興業株式会社は、ビルメンテナンスのパイオニア企業として設立され、現在では、建物の企画から運営管理、そして廃棄に至る「トータルマネジメントサービス」を提供し、快適な環境の創造を通じて、社会に貢献している会社です。

柏倉和美盛岡出張所長にお話を伺いました。

1.岩手センターとの関係について

以前、即戦力として設備管理技術者を募集したところ、岩手センターの修了生が応募され、技能・技術や適性を総合的に判断して、採用したことがきっかけでした。以来、当社業務のニーズに対応した訓練を実施している「ビル管理科」が設置されている岩手センターを、当社の人材確保に活用させていただいております。今回、採用した熊谷さんが勤務している岩手医科大学矢巾キャンパス別ウィンドウの事業所でも、4名中3名が岩手センターの修了生です。

2.岩手センター修了生の印象について

岩手センターの修了生は、実習中心の訓練を通して技能・技術を身につけているとともに、現場に近い環境で訓練を経験している点が、一般応募者に比べて優れていると思います。また、修了生はこれから設備管理の仕事に就くという目的意識を持って訓練を受講しているため、業務に対する心構えができている方が多いと感じています。

3.修了生(熊谷さん)の仕事ぶりについて

熊谷さんには、勤務先の施設で熱源設備等の機器運転監視、巡回点検業務や水質検査、施設環境衛生管理等の施設設備管理全般の業務に従事してもらっていますが、同じ施設で働く上司からの評価は非常に高いです。機器一つの障害が施設全体に影響を及ぼす可能性があり、失敗が許されない施設管理業務を行う上で必要な、些細な問題も見逃さない目を持っており、確実に仕事を行ってくれています。
ビルメンテナンス業は、機械を相手にする仕事だと思われがちですが、今、熊谷さんが担当している大学で例えると、大学で働く職員の方や学生の方も我々のお客様であり、その施設を利用する全ての方のニーズに応えていくサービス業であるとも言えます。採用の際には、複雑化・高度化しているビルメンテナンスの技術に対応するために多くの技能・資格や経験を必要とすることはもちろんですが、熊谷さんのように妥協を許さず、また、きめ細やかな対応ができる性格面についても重要視しています。
熊谷さんには今後、先輩方の知識や技能を吸収し、数多くの経験を積んでチームリーダー的な存在になってもらい、最終的には施設管理責任者にまでなってほしいと期待していますし、その素質はあると思っています。

4.岩手センターに期待することについて

6ヶ月の訓練期間に、できるだけ多く技能・技術を習得できるカリキュラムを組んでいただき、これからも優秀な技術者を輩出していただくことを期待しています。
また、採用の際には、良い人材を紹介していただければと考えています。

ビル管理科を平成22年9月に修了し、翌月から東京美装興業株式会社盛岡出張所に就職された熊谷和徳さんにお話を伺いました。

1.アビリティコースを受講した動機について

前職は、鉄道関係の機械設備の維持・管理に携わっており、設備に関連する資格もいくつか取得していましたが、独学で勉強していたため、資格に自信を持てない状況でした。そこで、離職を機にもう一度基礎から技能・技術を身につけ、技能や資格を生かして施設設備管理の仕事に就きたいと思っていたところ、ハローワークで岩手センターのビル管理科を紹介していただき、自分の求めているスキルが習得できると思い入所しました。

2.訓練内容について

訓練は、空調設備・ボイラー・給排水衛生設備等実際の現場で使用されている機器などに触れながら学習できる環境や、授業中にわからなかった点について、授業終了後などに先生が丁寧に教えていただけたことが良かったです。ビル管理の技能を基礎から幅広く学べたことによって、ビル管理に関連する資格である乙種第4類危険物取扱者、ボイラー技士及び第二種電気工事士の試験に挑戦し、資格を取得することができました。
また、実習内容も今の仕事に役立っています。先日、屋上に設置してある室外機に霜が付いてしまう現象が発生した時も、訓練で空調試験機や故障診断シミュレーターを使って故障時の対応方法を学んでいたので、その知識が霜の発生原因究明に役立ちました。

3.訓練期間中の思い出について

岩手センターで一緒に訓練を受講した仲間には、年齢やこれまでの経歴も異なりますが、再就職という同じ目標を持っていましたので、就職に対する悩みや、お互いの将来について相談することができました。
これからも付き合っていける仲間や先生に出会えた6ヶ月間の経験は、私にとって貴重な財産になりました。

4.就職活動に対するサポート体制について

就職活動にあたっては、訓練修了日が近づくにつれて、本当に就職できるのかと不安になる気持ちを、担当の先生や就職相談員の方に、就職面談、履歴書・職務経歴書の書き方、面接指導等、あらゆる面で相談に乗っていただき、前向きに就職活動に臨めたことが本当にありがたかったです。

5.今の仕事のやりがいや今後の抱負について

今は、希望通りビルメンテナンス会社に就職し、施設設備管理の仕事に従事しています。実際に仕事に就いてみると分からないことの連続ですが、分からないことを一つずつ解決していくことにより、仕事に対するやりがいが増していると同時に、楽しさ、大変さも感じています。今後は、実務経験を積んでビル管理に関連する資格に挑戦していき、施設を利用される全てのお客様に快適な環境を提供できるよう頑張っていきたいと思います。
また、仕事上で疑問点等あった時には、先生に技術指導をしていただければありがたいと思います。

6.アビリティコースを受講する方に対するメッセージ

現在は就職難といわれていますが、チャンスはどこにあるかわかりませんので、アビリティコースを受講した際には、訓練期間中に実践で使える技能を一つでも多く身につけられるよう惜しまぬ努力を続けてください。岩手センターには、その努力に応えてくれる先生達がいますので、積極的に技能習得に励んでいれば結果はついてくると思います。