第10回中国ブロックポリテックビジョンin OKAYAMAが開催されました

平成24年2月24日(金)から2月25日(土)にかけて「第10回中国ブロックポリテックビジョンin OKAYAMA」が岡山県倉敷市の中国職業能力開発大学校(中国ポリテクカレッジ)で開催されました。
ポリテックビジョンとは、職業能力開発大学校・短期大学校等の学生による研究開発成果の発表・展示や、技能・技術競技会等の開催等を通して、大学校等における「ものづくり」の教育訓練のシステム、内容、水準等を、ユーザーである高校生、学校関係者、事業主、企業関係者等の皆様に直接的にご理解いただくためのイベントです。
今回は、「-知と技の融合-カタチあるものとして思いを実現!」をテーマに、中国職業能力開発大学校(中国ポリテクカレッジ)とその附属校である福山職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ福山)、島根職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ島根)等が参加しました。

開会式_宇野校長による挨拶

記念講演

  • テーマ

    ①手術ロボットの現状と将来展望
    光石 衛 氏(国立大学法人東京大学大学院工学系研究科 機械工学専攻 教授)
    ②技能五輪世界一への挑戦
    大竹 基貴 氏 早川 将悟 氏 地頭薗 朋史 氏
    (株式会社デンソー、第41回技能五輪国際大会金メダリスト)
    ③小惑星探査機「はやぶさ」の挑戦
    西山 和孝 氏(独立行政法人宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 宇宙輸送工学研究系 准教授)

医療・福祉分野や宇宙開発分野での最先端の生産工学の知識や技術による高度なものづくりに関わっている講師による講演は、企業の生産現場での活躍を志してポリテクカレッジでものづくりの基礎を学ぶ学生にとって、ものづくりによる社会への貢献や夢が果てしなく大きな可能性をもっていることを改めて教えてくれました。

また、技能五輪国際大会の金メダリストによる講演は、訓練から大会までの取組みについてお話しいただきました。ポリテクカレッジの学生に近い世代が、努力の結果として金メダルの獲得を成し遂げられたことから、彼らはポリテクカレッジの学生にとって身近で大きな目標であり、日頃の訓練や実習に取り組むうえで大いに参考になったことと思います。

学生のみなさんには、ものづくりに携わることに誇りを持ち、大きな夢と目標を持って自らの技能・技術を磨いていってほしいと思います。

総合制作・開発課題の研究発表・プレゼンテーション

学生が1年間かけて取り組んできた総合制作の作品や開発課題の研究成果を発表しました。企業の生産現場では、技術を磨くだけではなく、技能や知識に裏付けられた自らの意見を伝えることや、提案をプレゼンテーションすることが求められます。ポリテックビジョンでは、自分の言葉で相手に分かりやすく研究成果を伝えることに取り組んでいます。

ロボット競技会

ロボットによる競技会では、学生が製作した歩行ロボットによるスタート地点からゴール地点までの走行タイムや走行距離による得点を競いました。ロボットの製作にあたって設計、部品の加工、組立てを行い、直進、右折、左折、上り坂、下り坂、障害物などの状況をセンサで感知して動作するようプログラミングをして競技に臨みました。脚の関節の動作や重心移動などの微妙な調整具合により勝敗を分けました。

ものづくりコンテスト

ものづくりコンテストでは、ポリテクカレッジの学生による旋盤加工、半田付けの3校対抗競技を行いました。在学中に技術を磨き、腕に自信を持つ学生が技を競い合いました。

ものづくり体験教室

ものづくりへの興味や関心をもってもらおうと、中国ブロックの各県職業訓練支援センターの参加により開催され、中国ポリテクカレッジ周辺に住む子供たちが参加しました。講師の指導のもと、親子で真剣に取り組み、完成したときには笑顔があふれていました。

ポリテックビジョンに参加していた学生にお話を伺いました。

ポリテクカレッジの授業は実習が多くて本当に楽しい

中国職業能力開発大学校(中国ポリテクカレッジ)
専門課程 制御技術科2年生 加藤 春佳 さん

1.ポリテクカレッジを志望した動機について

もともと工業やものづくりに興味がありました。高校の先生から、ポリテクカレッジは実習が多くて仕事に直結した技術を身につけることができると紹介されました。また、就職に強いとも聞いていました。

2.ポリテクカレッジの教育訓練内容、ポリテックビジョンの作品について

実習が多くて、とても楽しかったです。刃物や材料の特性を学んでプログラムを入力し、材料を加工していく作業が本当に楽しかったです。高校は普通科の出身ですが授業の内容が難しいところは、先生に丁寧に教えてもらったり工業高校出身のクラスメートに助けてもらって理解することができました。
ポリテックビジョンに向けて、ロボット競技会用の二足歩行型ロボットを製作しました。3次元CADで設計した図面をもとに材料を加工し、組み立て、競技コースの色などをセンサで感知して関節の動作に反映させました。思いどおりに真っ直ぐに歩いたり左右に曲がるための重心移動やバランスをとることに最後まで苦労しました。ロボット競技会では残念ながら入賞できませんでしたが、ものを作る難しさ、大変さ、楽しさを感じることができました。

3.就職について

船舶の配管の設計や電気の配線、部品を製作する企業に内定しています。ポリテクカレッジの先輩が働いており、ポリテクカレッジで開催された就職説明会に来てくれて就職先のことや就職活動の進め方について話を聞くことができ、大変参考になりました。また、内定先企業のインターンシップに参加させていただき、職場の雰囲気などを実感することができましたし、現場で高い技術力により製品を作り上げていく社員の方たちが格好よくて、1日も早く自分もそんな技術者になりたいです。

4.ポリテクカレッジに入学を希望する方へのメッセージ

この業種は女性が少ないですが、やる気があれば男女関係なく活躍できると思います。ものづくりや手作業が好きな人は楽しく学ぶことができますので、たくさんの女性に入学してほしいですね。

工学系に興味がある人には就職に強いポリテクカレッジをお勧めします

中国職業能力開発大学校(中国ポリテクカレッジ)
専門課程 電子情報技術科2年生 奥村 勇紀 さん

1.ポリテクカレッジを志望した動機について

高校の先生に紹介されました。国立大学の工学部や理学部へ進学して4年間勉強することも考えたのですが、ポリテクカレッジでは専門課程で2年間、さらに応用課程に進学して2年間学ぶことにより企業の生産現場で必要とされる技術を身につけることができるとのことでしたので、ポリテクカレッジを志望しました。

2.ポリテクカレッジの教育訓練内容、ポリテックビジョンの作品について

専門課程では、基礎を学ぶ時間が多いと思います。高校は普通科の出身ですが、先生の面倒見が良くて授業も分かりやすかったので、工業高校出身の学生との差はそれほど感じませんでした。同じクラスに普通科の高校や工業高校の出身の学生がいることを前提に授業を進めてくれましたので、入校時では、みんな同じスタートラインに立っているのではないかと思います。
ポリテックビジョンに向けて、空調機稼働状況管理システムを製作しました。教室や実習場等の空調機について、電源のON/OFFの状況や室温をグラフ化することで温度設定等の稼働状況を管理できるようにしました。製作グループのリーダーを務めましたが、スケジュールが計画どおりに進まなかったり、メンバーの役割や意見を調整するのに苦労しました。この経験は、応用課程に進学した際に、開発課題を専門性の異なる他の学科のメンバーと取り組むことに生かしたいと思います。

3.今後について

応用課程への進学が決まっています。応用課程では、専門課程で学んだネットワーク構築の技能や知識をさらに深めて、基本情報技術者の資格を取りたいと思っています。将来は、ネットワーク関係のエンジニアとして就職したいですね。

※専門課程、応用課程とは・・・。

ポリテクカレッジには「専門課程」と「応用課程」があります。

「専門課程」は、高校卒業者等を対象に、基礎的な技能・技術から専門分野に必要な 高度な技能・技術までを体系的に習得する2年間の訓練課程です。
「応用課程」は、専門課程修了者、または同等の技能と知識を有する方などを対象に、 高度な技能・技術や企画・開発などを習得する2年間の訓練課程です。

4.ポリテクカレッジに入学を希望する方へのメッセージ

ポリテクカレッジのカリキュラムなら普通科の高校を出身の方でも気にしないで入学していいと思います。大学卒業者の就職が厳しいなか、ポリテクカレッジは就職にも強いですし、工学系を希望する学生には是非ポリテクカレッジに来てもらいたいです。

自分自身の手でものを作る楽しさをぜひ感じてほしい

中国職業能力開発大学校(中国ポリテクカレッジ)
応用課程 生産機械システム技術科2年生 大和 史朋 さん

1.ポリテクカレッジを志望した動機について

ロボットの製作に興味があり、福山職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ福山)の制御技術科(専門課程)に入校しました。ポリテクカレッジは、就職率が高く学費も安いことや、4年制大学の工学部などの授業はものを作るよりも頭で考えるといった印象がありますが、私は技術を身につけて実作業を行うことに興味がありましたので、ポリテクカレッジを志望しました。そして、専門分野の技能・知識をさらに深めるとともに、関連した技能・知識も習得するため、中国職業能力開発大学校(中国ポリテクカレッジ)の生産機械システム技術科(応用課程)に進学しました。

2.ポリテクカレッジの教育訓練内容、ポリテックビジョンの作品について

専門課程では基礎を習得する授業が多かったのですが、応用課程では基本的なことを理解したうえで、「モノ」が出来あがるイメージを持ちながら実習に臨めるので本当に楽しいです。応用課程は実習の授業が本当に多くて、半分以上が加工などの実習だったのではないかと思います。インターンシップで造船関係の企業の生産現場を経験しましたが、生産ラインでの製造の過程を見ながら出来あがる「モノ」のイメージを掴むことができ、企業で必要な技能や知識を身につけているんだという実感を持つことができました。
ポリテックビジョンに向けて、精密ばね疲労試験機の開発課題に取り組みました。ばねの引張りや圧縮の繰り返しによる疲労破壊の有無を調べる装置で、生産電子システム技術科の学生とのグループで取り組みました。専門性の異なる学生が意見を出し合って互いに理解しながら進めることに苦労もありましたが、昨年度の取組みでの課題であった操作性やメンテナンス性を向上させ、新たな機能を追加することができ、現時点では満足のいく仕上がりとなりました。

3.就職後の夢や目標について

石油の精製企業に内定しています。ポリテクカレッジの先輩がたくさん勤務しており、ポリテクカレッジで開催された就職説明会で先輩から就職先のことを聞き、仕事の内容や会社の雰囲気を理解して就職活動を進めることができました。就職後は、製油の作業や生産設備の保全業務に従事することになりそうですので、業務に必要な危険物取扱主任者などの資格を取得しようと思っています。また、海外で仕事が出来る機会もあるようなので、ポリテクカレッジで学んだことを活かしながら就職後も努力を続けていきたいと思います。

4.ポリテクカレッジに入学を希望する方へのメッセージ

ものを作って完成品が見えてくるとやる気が出ますし、出来あがったときには大きな喜びがあります。自分自身の手でものを作る楽しさを是非感じてもらいたいと思います。

ポリテクカレッジの修了生を採用している事業主の方にお話を伺いました。

株式会社化繊ノズル製作所
総務労務部長 澁谷 一夫 氏

株式会社化繊ノズル製作所は、合成繊維用紡糸ノズル・精密部品・押出成型金型・不織布用ノズルの製造を行っている企業です。中国ポリテクカレッジのある岡山県内に工場があり、ポリテクカレッジの修了生が勤務しています。同社の総務労務部長である澁谷氏にお話を伺いました。

ポリテクカレッジは、人材の確保や育成に欠かせない存在

当社では、中国ポリテクカレッジや近隣のポリテクカレッジ福山、四国ポリテクカレッジから修了生を採用しており、製品の製造や開発に携わっています。当社の製品はミクロン単位の極めて精密な加工技術により生産しておりますので、高いレベルの技術者を育成することが不可欠です。ポリテクカレッジのカリキュラムは実習に大変な時間をかけており、修了生は企業の製造現場に即した技術や知識を習得していますので、実作業ができますし、現場でモノになります。採用後の研修にかける手間や経費を節減できることは、中小企業にとって助かります。当社で勤務しているポリテクカレッジの修了生は若手から中堅層までおりますが、将来は現場を管理できるような人材に育ってくれることを期待しております。
また、当社の社員には研修の一環として計画的に中国ポリテクカレッジの能力開発セミナーを受講してもらい、技術力のレベルアップを図っております。企業の製造現場に即した技術を学べる環境は、他にはありませんので大変ありがたいことです。これからも社員の人材育成に活用させていただきたいと思っています。