働く広場2015年5月号
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21働く広場 2015.5雇用体制整備などの課題も多いが、そうした課題解決のヒントとなる取組みを含め、鹿児島県の事業を取材させていただいた。鹿児島県では、精神障害者がピアサポーターとして雇用される仕組みづくりと、そのために必要な人材育成を2014年度予算で計画した。県の緊急雇用創出事業臨時特例基金事業(地域人づくり事業)を活用し、県が精神科病院系の医療法人などに事業を委託。精神科病院がピアスタッフを雇用するきっかけづくりに取り組んだ(図)。この実施に当たっては以下の研修を要件としていた。・OJT(事業所の先輩職員や相談役︹スーパーバイザー︺による日常の職務を通じた知識・技術などの指導研修)・OFFーJT(事業所においてピアサポーターとして従事するために必要とされる事項について、職場外研修への派遣など)※「精神障がい者ピアサポート専門員養成研修」受講など従事する業務内容は、以下が例示されていた。・精神科病院において、①院内茶話会などを開催して地域生活について話をする、②外出支援(買物同行などの院外活動)、 ③作業療法などの補助、④事務補助など、21精神障害者ピアサポーターとは、社会参加や就労に向けて歩み出そうとしている精神障害者に、自らの精神疾患の経験を活かして支援する人をいう。ピアサポーターのなかで、精神科病院や精神保健福祉センターなどで雇用され、働く人をピアスタッフと呼んでいる。この取組みは、鹿児島県、兵庫県、福島県などの精神科病院や福祉サービス提供事業所などで始まり、増え続けている。それを後押しする2つの流れがある。1つ目は、2018(平成30)年4月から改正障害者雇用促進法が施行され、精神障害者も法定雇用率の基礎にカウントされること。2つ目は、2014(平成26)年7月14日、厚生労働省が発表した「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策の今後の方向性」の中で、精神障害者ピアサポーターについて左記のように明文化されたことである。・ピアサポートの活用状況に関し、これまでの予算事業での実績等について検証を行い、ピアサポーターの育成や活用を図る。・入院中の精神障害者が、病棟プログラムや作業療法への参加、交流会の開催等を通して、本人の意向に沿って、ピアサポーターや外部の支援者等と交流できる機会等の増加を図る。① 行政が中心となってピアサポート 人材育成事業を推進② 精神障害当事者に充実した 研修機会を提供③ 継続的な雇用に向けた体制整備が課題POINTPOINTPOINT精神障害者ピアサポーターとピアスタッフ鹿児島県の精神障害者ピアサポート人材育成事業の取組み鹿児島県保健福祉部障害福祉課精神保健福祉対策監 笹川純子さん(右)と鹿児島県保健福祉部障害福祉課 川村雅彦さん(図)鹿児島県緊急雇用創出事業臨時特例基金事業(地域人づくり事業)雇用拡大プロセス ~精神障害者をピアサポーターとして育成~精神障害者医療・福祉ピアサポート人材育成事業平成26年度単年度事業概要 離職・失業した精神障害者をピアサポーターとして育成するため、精神科病院や障害福祉サービス事業所などにおいて雇い入れ、利用者(入院者)の在宅生活や退院に向けた支援、事業所での作業補助などに従事させ、あわせて、知識およびスキルを習得させるための研修を実施することにより、地域における雇用拡大および人材の育成を図る。効果 精神保健福祉領域の新たな担い手(ピアサポーター)の創出、精神障害者の社会復帰委託先のイメージ ・精神科病院系列の医療法人など県障害福祉課障害者向けの就労事業等精神障害者の人材育成を委託事業実施計画(事業目標含)の提出○精神障害者をピアサポーターとして育成したい※ 必ずハローワークを通じた求人を行うこと※ 雇用・研修は2014年7月~2015年3月精神科病院精神科病院系の医療法人等地域の精神障害者に就労機会を提供委 託雇用・研修精神障害者ピアサポーターの育成、精神障害者の社会復帰新規就業者数8人事業目標雇用・研修※2人×4カ所

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