働く広場2015年5月号
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22働く広場 2015.5そのほか人材育成に必要とされる業務・障害者福祉サービス提供事業所の就労系の事業所において、①作業補助、②生活相談、③事務補助など、そのほか人材育成に必要とされる業務。鹿児島県は公募により、4法人に業務を委託し、各法人2人の計8人がハローワークの求人を通じて雇用された。鹿児島県は精神障害者ピアサポート専門員養成研修※1を、この事業のOFFーJTの研修として、実施した。 541床のメンタルホスピタル鹿児島と隣接の鹿児島看護専門学校、230床のメンタルホスピタル鹿屋を経営する公益社団法人いちょうの樹 メンタルホスピタル鹿児島の、地域連携室長の福永康孝さんからお話をうかがった。病院では身体障害者の雇用の取り組みは古いが、精神障害者の雇用は3年前から。22「きっかけは、2014年4月頃に、作業療法デイケア助手で1人採用したところ、とてもいい仕事をこなされることから、精神障害者の雇用について、病院内での理解が深まったことが大きい」と教えてくださった。今回の事業で雇用された、小山恵里さんと川上裕美さん。2人の業務内容は、作業療法などの補助業務と地域連携室にての相談業務(外来待合室での話し相手や週1回訪問看護で、チームスタッフと一緒に訪問活動)。午前、午後と2つの就業場所を2人が交代して勤務されていた。また、法人職員に対するピアサポート専門員の学習会の実施や作業療法のひとコマを利用してピアフォーラムを実施し、不定期の業務として広報活動を行っており、それが楽しみであるとのことだった。2人にお話をうかがった。小山さんは、「医療は初めて経験する職場で、できるかどうか不安だったが、やっと慣れた。しんどいときはあるが、土日ゆっくり休んだり、今回の事業で一緒にピアサポート専門員養成研修を学んだ人たちと2カ月に1回集まり、友人もできた」と話してくださった。川上さんは、「いままではスーパーなどで仕事をしていたので、医療の現場に入ることが不安だった。5カ月目に入ってから、不安はなくなり、いただいた仕事を的確にこなしていきたいという気持ちになってきた」と自信がついてきた様子。また、院内のピアスタッフ雇用を推進させた立役者であるデイケア勤務をされているHさんのお話もうかがった。「就労継続支援B型事業所でステップアップしたいと考えていたら、院長から募集情報を聞き、自分と同じような経験をした人たちの役に立てるのではないか、恩返しがしたいと応募し、1年半がたちました」。最近では、デイケアプログラムにもスタッフとして参加し、一歩ふみ出すことができるようになったそうだ。 次に医療法人常清会を訪問した。就労継続支援B型事業所である「就労支援事業所ライダー」は、元理事長宅を施設として、ひじき選別作業を行っている。現場責任者は、昨年度の精神障害者アウトリーチ推進事業※2で雇用されたピアスタッフの内うち布ぬの啓とも之ゆきさん。今回の事業で雇用された藤崎周太郎さんとSさんにお話をうかがった。藤崎さんは、「当初は週5日のフルタイムの予定だったが、疲れがなかなか取れないので、週3日に変更してもらった。利用者の方のできることが増えたとき、役に立てたと実感が持てる」という。しかし、「入院中に仲のよかった人が利用者としてきたときに、立場がスタッフであり、仲間とのバウンダリー(境界)に困った。スタッフ公益社団法人いちょうの樹医療法人常清会※1 精神障害者ピア・サポート専門員養成研修……全国の精神障害者ピアスタッフで構成された精神障害者ピアサポート専門員養成研修企画委員会が実施している研修。基礎2日間、専門2日間、フォローアップ2日間の座学、演習を中心にした研修。2013年度から実施し、2014年度は鹿児島、兵庫県の2カ所で開催し、通算147人受講。公益社団法人 いちょうの樹メンタルホスピタル鹿児島 福永康孝地域連携室長川上裕美さんメンタルホスピタル鹿児島(旧 横山病院)職員と訪問予定の打ち合わせをする小山恵里さん

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