働く広場2015年5月号
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6働く広場 2015.5をローテーションする。みんなをローテーションしていくと、多能工が生まれます。1つの仕事だけでなく、何でもできる社員を育てなければと思います。精神障害者は、ほかの障害者と違って波がありますから、多い人には1日2回ぐらい、必ず声かけをしています」工場長の田村元はじめさんも、仕事をしているなかでそれぞれの適性を見出す。「配属後も、職場の仕事量は山や谷がありますから、随時変更して、いろいろな職場を短期間に経験するなかで適材適所を見つけています」澁谷さんは、極力、精神障害者には残業をさせないように配慮をしている。「受注する仕事の内容はしょっちゅう変わりますから、忙しい職場に応援に入ってもらっています。フルタイム勤務は前提ですが、生活のリズムが崩れないように、残業はできるだけさせないようにしています」だれもが働きやすい職場になるように、月1回、職場長以上の人たちが個別ケース会議、職場定着推進会議を開き、情報交換を行っている。仕事の相談は、直属のリーダーに、リーダーに相談できないことは、上司や工場長、またはジョブコーチ経験者の社内カウンセラーにと、相談しやすい雰囲気をつくることを心がけてきた。精神障害者が職場に定着するには、障害ゆえの配慮が必要なことがある。應武さんは、「精神障害者は調子の波があり、一定ではない。状況が流動的というのが、ほかの障害者と一番違います。はじめは専門家の助言があったほうがやりやすい」という。後藤さんは、「現場の課長や職場長、リーダーが日々の仕事ぶりを観察し、SOSを見抜くのが大切」と話す。「作業スピードが落ちていないか、ミスが続いていないか、体調がしんどいといわないか、眠そうにしていないか、顔の表情がいつもと違わないかなどを見ています。精神障害のある人たちのバロメーターは、何か話したときに笑顔が出るかどうかです。返ってくる言葉や作業日誌も見て判断しています。当人は人間関係ばかりを意識せずに、まずは仕事を覚えて自信をつけてほしいですね」本人に求めているのは、働き続ける体力、気力と生活リズム、自分の症状への理解、社会のルールの理解、アドバイスを受け入れる気持ち、支援者との信頼関係、定着への努力など。田村さんも、精神障害者との対応に心を砕く。「精神障害のある方は信頼関係がないと、心を開いてくれないところがあります。調子が悪くなってくると、こちらのいうことが頭に残らない、耳に入らないという方もいます。そういう状態になると対応が難し「こだわっているのは、会社の必要とする仕事の能力があるか、最初からフルタイムで働ける生活リズムができているか、働きたいという意欲があるか、集中力があるか。それと支援機関との連携があるかです。支援機関に登録していない人は、登録してもらっています」前工場長で、現在は相談役の後藤金丸さんは、應武さんと二人三脚で取り組んできた。「働く気持ちが本当にあるのか、心の底まではなかなか見抜けません。昔は社会適応訓練を使うことが多かったのですが、いまは、いろいろな支援機関の実習制度を使っています。お互いが心を開く。特に精神障害の人は心を開いた関係にならないと、働き続けることは難しいです」配属は障害の種類で分けるのではなく、本人の適性を考慮して決める。原則1年間は契約社員として働き、その後正社員になる。後藤さんは、「ダイキンサンライズ摂津の社員として働いてほしい」と伝えている。「言葉で適材適所というのは簡単ですが、初めはなかなかわかりません。いろいろな仕事をやってもらって、この仕事のほうが合うとわかると、そこで働いていた人仕事ぶりからSOSをキャッチ田村元工場長

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