登録すれば求人を紹介してくれて、書類添削や面接対策といったサポートも受けられる転職エージェントは便利ですよね!
転職エージェント1社から受けられる紹介求人数は限られていますが、登録している転職エージェントの数が増えればその分紹介求人数も増えます。
シンプルに考えて『良い求人に巡り合う確率が増える』と、感じますよね!?
実際のところ転職エージェントの掛け持ちや複数利用にメリットはあるのか、注意点なども含めて確認していきましょう。
転職エージェント掛け持ちや複数利用はありなのか?
転職エージェントの掛け持ちや複数利用はありです。
2社以上に登録することで、基本的には良い求人に巡り合える可能性が増えるでしょう。
ただし!!掛け持ちもしくは複数社利用をすることで発生する、気をつけたいポイントもあります。それについては後程詳しく見ていきましょう。
求職者と企業のマッチングが転職エージェントの役割
転職エージェントとはどういうサービスなのか、ここで改めて確認していきましょう。
転職エージェントは登録者(求職者)の希望をヒアリングして、登録者の希望に合うかつ企業側の募集条件にも合う求人を紹介してくれるサービスです。
転職エージェントのアドバイザー(担当者)は登録者と企業をマッチングさせて、最終的には登録者を入社させることで営業成績となります。
転職エージェントは企業からの紹介料で利益を出すシステムなので、基本的には親身になって対応してくれます。
登録者側は利用にあたってお金を払う必要はありません(※稀に有料の転職エージェントもあります)
転職エージェントとしては登録者に内定を獲得してもらい、そして紹介した企業に入社してもらわないと困るので、応募に必要な書類を添削してくれたり面接の練習をしてくれたりといったサポートがあります。
これらの特徴から、転職エージェントに向いているのは、転職にあたって誰かに力を貸して欲しい方です。
相性の良い求人を見つけやすいのはもちろん、転職活動のやり方が一切わからなくても教えてくれるので効率が良いです。
逆に『干渉されると鬱陶しい』とか『アドバイザーといちいち連絡のやり取りをするのが面倒くさい』とか『応募する求人は自分で調べて応募したい』という方には不向きだといえます。
転職エージェントの掛け持ちは多くても3社がベスト
転職エージェントの掛け持ちや複数利用においてのデメリットは、サービスの特徴上それぞれの転職エージェントのアドバイザーとやり取りをしなければいけなくて、必然的に時間を消費することです。
ここを意識せずに大量登録してしまうと、紹介が始まったあたりからは次第にやり取りを管理することが難しくなり、放置してしまう転職エージェントが発生するリスクがあります。
2社以上の転職エージェントに登録したいということであれば、掛け持ちもしくは多くても3社までが管理しやすい範囲といえるでしょう。
複数社の担当者の中から自分に合う人が見つかる
転職エージェントのメリットといえるのが、相性の良いアドバイザーを見極めやすくなることです。
『転職エージェントのアドバイザー』という肩書を持つ存在を1人しか知らないと、転職エージェントのアドバイザーのイメージはその人だけで固まってしまいます。比較対象がないからです。
しかし複数人知っていれば、『この人は自分に合うタイプのアドバイザー』というのがわかりやすくなります。
もちろん全員相性が悪いというリスクもあるでしょうが、選択肢が広がるのは事実です。
掛け持ちしていることで紹介してくれる求人数が増える
転職エージェント2社以上に登録するメリットとしてトップに来るものといえば、やはり紹介してもらえる求人数が単純計算で増えることではないでしょうか。
数が増えれば、1社に登録しているだけなら遭遇できなかった相性抜群かつ気に入る求人が出てくる可能性もあります。
やり取りといった手間は増えますが、その手間があっても求人数が増えることを優先したい方にとっては良いことでしょう。
目的別に転職エージェントを使い分けることができる
転職エージェントというのはどこも足並みを揃えている……というわけではなく、個性を出して差別化していることがあります。
幅広い方が利用できるのは幅広い業界の求人を取り扱っている転職エージェントですが、例えばクリエイティブ職やハイクラス転職など特定の何かを希望しているなら、コンセプトを絞ったところもあります。
複数利用する場合、登録先全てを似ているコンセプトの転職エージェントで固めるというのもありですが(単純計算で知ることができる求人数は増えるので)
コンセプトが被らない同士に登録して、目的別で使い分けるということもできます。
そのやり方をしたほうが効率良く感じる方もいるでしょう。
転職エージェントの掛け持ちを上手く進めるコツ
転職エージェントの掛け持ちや複数利用をする場合、『ここに行きたい』という特定の業界や条件があるならコンセプトやカラーが被らない転職エージェントを選んで登録するといいでしょう。
コンセプトやカラーが被っても総合型の転職エージェントを複数利用することが向いているのは、幅広い業界の求人を見たい場合です。
ただ、コンセプトやカラーが被ることにより、複数利用しているのにその全ての転職エージェントから同じ企業の求人を紹介された……という状況になる可能性はあるので注意が必要です。
コンセプトやカラーは様々な見方がありますが、まず大きな枠組みとして『総合型』か『特化型』かにわけることができます。
以下では総合型と特化型のそれぞれの特徴と違いを見ていきましょう。
転職エージェン掛け持ちする際は総合型と特化型を上手に使い分ける
タイプ | 求人数 | アドバイザーの専門性 | 特徴 |
---|---|---|---|
総合型 | 幅広い業界の求人を取り扱うから必然的に多い | 幅広い業界への求人紹介をするため、特定の業界への専門性は高くないことが多い。 | ・取り扱い求人数が多い ・幅広い業界の求人を知ることができるから、自分に合う仕事がわからないときに新しい視点を得やすい ・中小企業やベンチャー企業~大企業まで、様々な規模や条件の求人を知ることができる |
特化型 | 特定の業界の求人のみ取り扱うから総合型よりは少ない | 紹介する業界の最新情報を把握していることが売りで、専門性が高い。 業界の専門用語なども通じることが一般的。 |
・特定の業界に行きたいと決まっているなら心強い ・総合型の転職エージェントには出てこない、その業界の中で条件が良い求人を取り扱っていることもある |
総合型の転職エージェントと、特化型の転職エージェントにはこのような違いがあります。
掛け持ちや複数利用をする場合、総合型の中から2社3社と登録するやり方が合っている方と、総合型と特化型を組み合わせるやり方が合っている方がいるでしょう。
行きたい業界や就きたい仕事に合わせて、組み合わせを調整するとスムーズです。
総合型の転職エージェントは幅広い求人を知れるのがポイント
総合型の転職エージェントのメリットは、求人を取り扱う業界・業種・職種が基本的に限定されないことです。
つまり『この業界に行きたい』というものが決まっていないなら、たくさんの選択肢を知ることができます。自分に合っている業界をこれから見つけたいという方に良いでしょう。
なお、『自分はここに行きたい』というものが明確な方、そして業界というより『大企業にハイクラス転職したい』という方も総合型は使いやすいと感じる可能性はあります。
総合型かつ大手の転職エージェントは取り扱い求人数が多いことから必然的にカバーできる範囲は広いですし、企業側も大手にはどんどん求人を出しやすいので候補が増えます。
特定の業界や条件の転職をしたい方でも総合型の転職エージェントと相性が良い可能性はありますが、専門性を追求したいときには特化型のほうが便利と感じやすいでしょう。
転職したい業界が決まっているなら特化型の転職エージェント
特化型の転職エージェントは、業界が限定されているコンセプトなので、大手であっても必然的に総合型の転職エージェントより取り扱い求人数が少なくなります。
数字だけ見て、『求人が少ない』と、感じるのは早くて、該当する業界の求人について紹介してくれる密度の濃さでいえば特化型は総合型より基本的に上です。
どちらにもそれぞれ魅力や強みがあります。
自分に合うと感じるほうのみに登録して転職活動するのも良し、総合型と特化型を併用するのも良しです。
最終的には1社に絞り込むことを目指すことを視野に入れておく
転職エージェントの掛け持ちや複数利用をする場合でも、最終的には『ここが気に入った』と感じる1社に絞り込むことをおすすめします。
転職エージェントに登録後、求人を選んで応募して書類選考や面接をしてという段階に進むと、複数の転職エージェントのアドバイザーと同時進行でやり取りしたりスケジュール管理したりするのは大変です。
また、複数社から応募をしていると、同じ求人に別々の転職エージェント経由で応募してしまう二重応募のリスクがでてきます。
1社のみに登録しているだけなら必要なかった注意を払わなければいけなくなるということです。
進捗をスムーズに管理するためにも、最初は転職エージェントを複数利用しても、最終的には1社に絞り込むほうが楽なのです。
前向きな姿勢で転職活動を行い担当者との連絡を怠らない
総合型、特化型、それぞれを単体利用する場合でも、2社以上を併用する場合でも、転職エージェントのアドバイザーとのやり取りは重要です。
転職エージェントのアドバイザーは、転職希望者1人だけに向き合っているわけではありません。特に大手の転職エージェントであれば、同時に何人もの転職希望者を担当していることが多いです。
そうなると、アドバイザーも人間なので『やる気があると感じられる転職希望者』や『すぐに連絡を返してくれる転職希望者』のほうが、『アドバイザーとして関わりやすい』と、感じて印象に残ります。
例えば、良い求人が手元にあって、自分が担当している転職希望者のうちの誰か1人に紹介できる状況になったとします。
誰に紹介するか考えたとき、本人の希望条件と企業側の求めるものの両方を満たしていて紹介可能な転職希望者が2人いるとします……
この場合は、アドバイザーも人間で感情があるので、転職活動へのやる気があると感じられたり、連絡をマメに返してくれたりして熱意を感じられる転職希望者を選んで先に紹介するでしょう。
転職エージェントに登録すれば、横柄な態度でいてもいいというわけではありません。
転職エージェントに登録することは、シンプルにいえば環境づくり。環境は活かさなければ、そんなに意味はありません。その環境で自分はどうするかという、努力も必要になります。
転職エージェントに登録して得た環境の中で、良い求人を知る機会を増やすためにも、アドバイザーという1人の人間を尊重して前向きに接することは大切なのです。
なお、転職活動へのやる気はあるけどアドバイザーと相性が悪くて連絡を返す気になりづらい……という状況になったらどうすればいいかというと、アドバイザーの交代を依頼をすることができます。
他の転職エージェントに切り替えて、そこは退会するというやり方もありますが、元々登録している転職エージェントの特徴自体を気に入っているならすぐに退会するのはもったいないです。
転職エージェント自体は気に入っているなら、アドバイザーを代えて様子を見てからでもいいでしょう。
直接『交代してくれ』とアドバイザー本人に言ってしまうと、角が立つ可能性があるので、その転職エージェントの担当者ではない別のスタッフに相談するといいでしょう。
言いづらいお願いは相手に恥をかかせないように配慮したうえでする。これもある種の社会人としての世渡りマナーです。
転職エージェントを掛け持ちする際の注意点
転職エージェントの掛け持ちや複数利用をする場合には、気をつけなければいけないことがいくつかあります。
・掛け持ちしていることは伝える
・求人管理はしっかり!
・迷わないこと
これらを守って上手に利用すれば、積極的で前向きな転職活動に期待できるでしょう。
担当者に転職エージェントを掛け持ちしていることを伝える
注意点1つ目は、他の転職エージェントにも登録している場合は、それぞれの転職エージェントのアドバイザーにその旨を伝えることです。
他の転職エージェントに登録していると伝えても、まともなアドバイザーなら『他社にも登録しているのだろう?』と、態度を変えることはありません。
伝えておくことで二重応募(同じ求人に別々の転職エージェント経由で応募してしまうこと)をしないように、応募前にアドバイザーが確認や配慮をしてくれる可能性があり、安心感は高まります。
同じ求人に応募する恐れがあるので求人管理はしっかり行う
転職エージェントの掛け持ちや複数利用をしていると、発生するリスクが出てくるのが二重応募……ということには、これまででも触れています。
二重応募は、転職エージェント2社以上に登録している場合、意外と起きやすいことです。
そして悪気がなかったとしても二重応募をしてしまうと、信用をなくす可能性があるので注意が必要です。
二重応募が起きやすい理由は転職業界の事情にあります。
企業が出す求人情報というのは、転職エージェント1社が独占しているケースもありますが、転職エージェント複数社が抱えているケースも多いです。
これは転職希望者が転職エージェントの掛け持ちや複数利用をする理由と同じで、企業側の視点に立てばそのほうが良い転職希望者を見つけられる可能性が高まるかもしれないからです。
転職エージェントA社、B社に登録して、それぞれに希望条件や職歴などを伝えていれば、それを元にどちらのアドバイザーも求人を絞り込むわけなので……
紹介する求人がA社B社とも同じになる可能性があります。
求人を探しているタイミングが同じで、同じ条件なのだから決して珍しいことではないでしょう。
社名を出している求人を紹介された場合は、『被っている』と、事前に気付きやすいです。気付けた場合は二重応募にならないように、どちらの転職エージェント経由で応募するか考えることができます。
ただ、転職エージェントや企業の方針によっては応募前は社名を伏せているケースもあるので、募集要項や待遇の面をよくよく見ないと気付けない可能性もあります。
先程、転職エージェントのアドバイザーには掛け持ちや複数利用の件を伝えておくほうがいいと記載しましたが……
社名を伏せている場合でも、アドバイザーが事前に『応募に問題ないか』確認してくれる可能性が増えるからです。見落として二重応募になるリスクが減ります。
転職エージェントは求人を紹介して入社してもらい勤務してもらうことで利益や実績に繋げていくわけなので、転職希望者は完全無料で利用できていても、サービスの対価自体は確保しているのです。
二重応募をするというのは、表現を変えれば転職エージェントへの営業妨害になってしまいます。
そのため、二重応募というのは社会人としてのマナー違反であり、やってしまえば社会人としてのマナーがない人物だと判断されます。これを万が一応募先企業に知られた場合、印象ダウンが発生します。
『2社から応募すれば、書類選考に通る確率が上がると思って』などの理由で、二重応募と知っていながらあえて応募してしまったというケースも存在しますが、いずれにせよ基本的にメリットはないことです。
転職エージェントの掛け持ちや複数社への登録をする場合は、二重応募をしないように気をつけましょう!
複数時は求人情報が増えるので迷わないように心がける
転職エージェントの掛け持ちや複数社への登録をして、紹介してもらえる求人数が増えたとします。
情報が多くて、しかもそれぞれに良さがあると迷いが発生してしまうリスクがあります。
転職活動における迷いとは厄介な要素があります。
転職活動をしているのは自分だけではないので、求人を紹介されたときに早く応募するかしないか決めないと、他の転職希望者が他の転職エージェントから紹介を受けて応募してしまうかもしれません。
基本的に転職エージェントからの紹介=内定ではなく、応募して選考を受ける工程が必要なので、迷っている間に席が埋まってしまう可能性はあります。
スピード感が大切なので、迷いは厄介。できるだけ迷わずに決めていくことを意識しましょう。
プロフィール情報に虚偽の記載をするのは辞めよう
転職エージェント1社だけの利用の場合でも、掛け持ちや複数利用の場合でも、ヒアリングの際に嘘を吐くのはだいたいNGです。
バレた場合に、信用がなくなります。
転職エージェントに紹介してもらった求人に応募する際、履歴書や職務経歴書を提出することが多いですが(※転職エージェントによっては書類選考なしで面接選考のところもあります)
履歴書や職務経歴書に嘘を記載するのも辞めておきましょう。
転職エージェントの掛け持ちに関するよくある質問
最後に、転職エージェントの掛け持ちや複数利用をしたいときに挙がりやすい疑問について、Q&A形式で確認していきましょう。
質問です。掛け持ちや複数利用は本当に効率が良い?
回答です。掛け持ちや複数利用をすれば、大抵の場合は紹介してもらえる求人数が増えるので、効率は良いといえます。ただ、その求人全てを確認する労力を惜しんだり、面倒くさいからやらないという感じだったりするなら、掛け持ちや複数利用に効率の良さはありません。
質問です。二重応募をしてしまったと後で気付いたらどうしたらいい?
回答です。転職エージェントそれぞれのアドバイザーにすぐに連絡して状況を伝えましょう。基本的には先に応募した転職エージェント経由で応募状態を継続し、後から応募した転職エージェントは応募辞退にすることで対応します。
掛け持ちや複数利用は効率が良いですが、それは前提として『紹介してもらえる求人が増えたら、その全てを確認して判断していけるやる気や熱意がある方』の場合です。
これをやらないのであれば、正直なところ掛け持ちや複数利用のメリットは出づらいです。
掛け持ちや複数利用をすると、そのぶんアドバイザーとのやり取りも増えます。応募段階になって、複数社から応募をするようになると、面接日などのスケジュール調整に手間がかかります。
面接日が被らないように、調整しなければいけません。
1社しか登録していなければ、そこのアドバイザーに面接可能日を伝えておけばアドバイザーが調整してくれますが、2社以上に登録していると自分での調整も必要になります。
このようなデメリットになりえることも把握したうえで、掛け持ちや複数利用を検討する必要があります。
二重応募については、してしまってもすぐにそれぞれのアドバイザーに連絡することで対処はできますが、それも手間がかかることなので、できればしないように事前によく確認しましょう。
転職エージェントの掛け持ちや複数利用まとめ!
今回は転職エージェントの掛け持ちや複数利用についてご紹介しました!
転職エージェントの掛け持ちや複数利用に興味がある方は、ぜひ気に入るところを見つけてバランスよく管理して、転職活動を積極的に進めていきましょう。